解体業者に見積書を依頼すると、正確な金額を出すためにあらかじめ現地調査をするケースが一般的です。ところが、具体的な目的や調査対象を知らずに行ってしまっている人が多いのではないでしょうか。現地調査で確認する項目を把握し、立ち会ったときに一緒にチェックすれば、信頼できる業者かどうかの判断もしやすくなります。
そこで今回は、現地調査で確認する項目や依頼する際のポイントを解説します。現地調査を通して信頼できる業者を見つけ、解体工事をスムーズに進めましょう。
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現地調査とは?
現地調査は住宅の建築設計やリフォーム、解体などの工事をする前に行います。資料や図面、打ち合わせだけでは正確に判断できないこともあるため、事前に現地を確認します。
現地調査の目的
現地調査の目的は、物件の状態や周辺状況を明らかにすることです。解体やリフォーム、建築設計など、どの工事に向けた現地調査かによって実施する目的が異なります。
解体工事の現地調査では、正確な見積金額を決定するために「解体範囲はどこか」「どんな作業や重機が必要か」を確認します。加えて解体工事に伴うリスクを洗い出す目的もあるため、安全かつ円滑に工事を進めるためには欠かせません。
まれに現地調査をせずに工事を進める業者もいますが、トラブルが起きる可能性が高くなるので、依頼するのは避けましょう。
現場調査との違い
現地調査と間違いやすい言葉に「現場調査」があります。両者の大きな違いは調査するタイミングです。現地調査は工事に伴う事前調査に対し、現場調査は工事後に行われるのが一般的です。ただ、会社や地方によっては呼び方が異なる場合があるので、事前に解体業者へ確認しておくと安心できるでしょう。
解体工事の現地調査で確認する項目
現地調査で確認する項目は、その後に実施する工事の種類によって異なります。たとえば、リフォームの現地調査であれば、リフォーム箇所を詳しく確認します。建築設計では地盤や周辺環境に関する調査が中心です。
解体工事における現地調査では、周辺の道路状況や解体する対象物を確認するのが一般的です。ここでは、解体工事の現地調査で確認する項目を詳しく解説します。
周辺の道路状況
周辺の道路状況を調査し「重機の搬入・搬出ができるか」「どの重機を利用するか」を検討します。
重機の搬入ができない道幅や交通状況の場合は、手作業で解体する必要があるため、人件費が高くなります。また、人通りや交通量が多い道路の場合、交通誘導員の増員が必要となるケースも考えられるでしょう。
作業員や交通誘導員の増員は、見積金額に直結するため、道路状況の確認は欠かせません。
敷地のスペースや境界
敷地のスペースを調査することで、解体重機や産業廃棄物の運搬トラックなどが置けるかが判断できます。
加えて隣の土地との境界線を確認し、解体範囲を明らかにすることも重要です。たとえば、隣地の境界線上にあるブロック塀などは、隣人との共有物、または隣人の所有物であるケースがあります。
隣人の所有物であるにもかかわらず解体したり損傷させたりすると、損害賠償請求などのトラブルにつながる恐れがあるため、必ず解体前に確認しておきましょう。
建物の状況
現地調査で建物の状況を確認する際は、主に以下を中心にチェックします。
- 建物の構造
- 建物の高さや面積
- 水道管やガス管の位置
- 屋根や外壁の素材(アスベストの有無)
見積金額は建物の解体費用によって大きく変わるため、構造や高さ、面積の調査は必須です。
また、水道管やガス管を誤って破損させると近隣住民とのトラブルにつながるため、バルブや配管の位置を把握しておく必要があります。なかでも、アスベストは健康リスクや解体費用が高くなる可能性があるので、慎重に調査しなければいけません。
アスベストの見分け方や具体的な工事方法は、こちらの記事で詳しく解説しています。
https://active-okayama.com/asbestos_judge/
付帯物の状況
現地調査では付帯物の状況も確認します。付帯物とは以下のように建物と切り分けられるものを指します。
- ベランダ
- 浄化槽
- 塀・フェンス
- ウッドデッキ
- 倉庫
建物本体に加えて付帯物の解体・撤去を依頼すると、その分の費用が発生します。撤去する量や作業の危険度、使用する重機によって金額が大きく変動します。そのため、正確な見積金額を出すには、付帯物の調査も必要となるのです。
庭の状況
庭がある現場では、撤去対象の庭木や庭石の個数・大きさを調査します。また、池や井戸がある庭の場合は、埋め戻し工事を行うかも現地調査のポイントとなります。大きな撤去物や埋め戻しがあると、費用に大きく影響するので、必ず確認してもらいましょう。
残置物の有無
残置物とは建物内に残された物品のことです。解体工事と合わせて残置物の撤去を業者に依頼すると、追加で処分費用がかかります。そのため、残置物の有無や数を事前に確認することで、残置物の処分費を加えた正確な見積金額が算出できます。
現地調査にかかる時間
現地調査にかかる時間は建物や敷地の大きさによって変動しますが、木造2階建ての住宅であれば30分~1時間ほどが目安です。ただし、以下のようなケースでは長引く可能性があります。
- 建物が大きい
- 敷地が広い
- 付帯物が多い
- 残置物の処分が必要となる
- アスベストが使われている
- テナントの内装解体
少しでも時間を短縮するためには、事前に解体撤去する範囲を明確にしたり、業者に伝える内容をメモにまとめたりしておくのがおすすめです。ただし、早く調査を終えたいからといって、必要な確認を省略することはやめましょう。
現地調査にかかる費用
現地調査は契約に至らない限り、原則費用がかかりません。現地調査から見積もりの作成までは無料で対応してくれる業者がほとんどです。
ただし、遠方の現場やアスベストの成分分析などを行う場合は、費用を請求されることもあります。その際はあらかじめ連絡をもらえるのが一般的ですが、依頼時に費用がかかるかを確認しておくと安心です。
現地調査を依頼する際のポイント
次に現地調査を依頼する際のポイントを2つ解説します。現地調査を通して適正な見積書を作成してもらうためにぜひ参考にしてみてください。
複数の業者に依頼する
1つ目のポイントは、複数の業者に現地調査を依頼し、見積書を作成してもらうことです。複数の業者の見積金額を比較することで、適正価格かどうか判断しやすくなります。
安すぎる価格を提示する業者は、違法工事や廃棄物の不法投棄を行う可能性が考えられます。ほかの業者の見積金額よりも著しく安い場合は、その業者への依頼は避けましょう。
なお、複数の業者に依頼する際は調査日が被らないように注意が必要です。
現地調査には必ず立ち会う
現地調査には必ず立ち会いましょう。業者と確認しながら調査を進めれば、解体範囲の認識がズレてしまうのを防止できます。要望や質問は伝え忘れないように、あらかじめメモしておくのがおすすめです。
また、担当者と直接対面できるため、自分と相性の合う業者か見極められる機会にもなります。「業者の対応はていねいか」「コミュニケーションは取りやすいか」などチェックしながら、立ち会ってみるとよいでしょう。
なお、ていねいに現地調査をしない業者は、高額な費用の追加や工事期間の延長が起きる可能性が高いため注意が必要です。
まとめ
解体工事の現地調査は、業者が「解体する範囲はどこか」「重機は利用できるか」を中心に確認し、見積金額を正確に出すために実施します。基本的に現地調査から見積作成までは無料で対応してもらえます。
なお、図面や資料だけを見て工事を進めるような業者は、トラブルにつながる可能性があるため注意が必要です。複数の業者に見積もりを依頼し、ていねいに現地調査を進めてくれる業者を選ぶようにしましょう。