築年数の長い鉄筋コンクリート造の建築物に、アスベストが含まれているか気になる人も多いのではないでしょうか。なかには、アスベストが含まれていた場合、どのように対処すべきか悩んでいる人もいるかもしれません。
そこで今回は、鉄筋コンクリート造の建物にアスベストが含まれているかの見分け方と、含有が認められた場合の対処法を解説します。アスベストの使用有無を確認し、適切に対処したい人は、ぜひ参考にしてみてください。
解体のことなら、どんな些細なことでもご相談ください
アクティブは岡山で
圧倒的な実績と経験を誇る地域No.1の解体業者です。
建物解体工事から内装解体工事、アスベスト調査・除去まで安心してお任せください。
鉄筋コンクリート造の建物にアスベストが含まれているかの見分け方
鉄筋コンクリート造の建物にアスベストが含まれているかは、建築時期や設計図書でおおよそ把握できます。まずは、鉄筋コンクリート造の建物にアスベストが含まれているかの見分け方を解説します。
建築時期から判断する
鉄筋コンクリート造の建物の建築時期と、アスベストの規制時期を比較すると、アスベストが含まれているかがおおよそ判断できます。
アスベスト含有率0.1%を超える製品の製造・使用が全面禁止されたのは2006年です。そのため、2006年までに建てられた鉄筋コンクリート造の建築物は、アスベスト含有建材が使われている可能性があるといえます。なかでも、アスベストの規制が開始された1975年以前に建てられた建築物は、アスベストが使用されている可能性が高いとされています。
設計図書で確認する
設計図や仕様書などに記載されている建材の商品名から、アスベストが使われているかどうかを確認できる可能性があります。商品名がわかったら、メーカーのホームページや国土交通省の「アスベスト含有建材データベース」で調べてみましょう。
ただし、リフォームや改修工事などで使用された建材が設計図書に反映されていない可能性も考えられるため、正確な判断をしたい場合は専門業者に調査依頼するのがおすすめです。
国土交通省:アスベスト含有建材データベース
専門業者に調査を依頼する
建築時期や設計図書で必ずしもアスベスト建材の使用有無が判明するわけではありません。
アスベストの使用有無を正確に判断するには、専門的な知識・技術がある業者に依頼しましょう。また、アスベスト調査や除去はリスクの伴う作業なので、自身や近隣住民の健康を守るためにも、自己判断で進めずに専門業者の指示に従うことが大切です。
解体工事やリフォームの予定がある場合や、建物の老朽化によるアスベストの飛散に不安を感じている場合は、専門業者に依頼しましょう。
鉄筋コンクリート造の建物にアスベストが含まれていた場合の対処法
鉄筋コンクリート造の建物にアスベスト含有建材が使われていた場合は、その建材のアスベストレベルに応じて適切に対処しなければなりません。ここからは、鉄筋コンクリート造の建物にアスベストが含まれていた場合の対処法を解説します。
アスベストレベルを確認する
アスベスト含有建材は、飛散する危険度に応じて3つのレベルに分類され、レベル1が最もリスクが高いとされています。アスベストレベルに応じて適切な対処法が異なるので、まずはどのレベルのアスベスト含有建材が使われているかを確認しましょう。
例えば、綿状の見た目が特徴的なアスベスト含有吹付け材はレベル1に該当し、建物の劣化による飛散リスクが高いとされています。そのため、劣化が進んでいるときは除去工事や囲い込みといった飛散防止対策をしなければなりません。
鉄筋コンクリート造の建築物では、以下の箇所にアスベスト含有吹付け材が使われている傾向があります。
- 空調室
- ボイラー室
- 機械室
- 駐車場の天井・壁
- エレベーターの昇降路
なお、建築基準法では吹付けアスベストとアスベスト含有吹付けロックウールが規制対象とされていて、これらの2種類を除く石綿含有建材は除去が義務付けられていません。アスベストを含有している屋根材や外装材などの成形材は、切断したり穴を開けたりしなければ、飛散リスクは低いとされています。
ただし、アスベストが含まれていることを知らずにリフォームや解体工事をすれば、アスベストが飛散し、作業者や周辺にいる人の健康被害につながります。アスベストレベルと合わせて、リフォームや解体工事をする予定があるかも確認しておきましょう。
アスベストレベルによる危険性や除去費用の違いは、こちらの記事を参考にしてみてください。
リフォームや解体工事に合わせて除去工事をする
建築物のリフォームや解体工事をする場合は、アスベストの事前調査と報告が義務付けられています。事前調査により使用が認められれば、飛散リスクが比較的低いアスベスト成形板や床材に対しても、適切な飛散防止対策のもと除去工事を実施しなければなりません。
リフォームや解体工事の予定がある場合、まずは専門業者に事前調査を依頼しましょう。
アスベスト調査・除去費用の相場
書面調査や現場調査、分析などのアスベスト調査にかかる費用は、50,000~150,000円前後が相場です。調査費用は依頼先や建物の大きさ、エリアによって異なるので、事前に問い合わせるのがおすすめです。
アスベストの除去工事の費用は、処理面積に応じて以下のように異なります。
アスベスト処理面積 | 1㎡あたりの費用 |
300㎡以下 | 20,000~85,000円 |
300~1,000㎡ | 15,000~45,000円 |
1,000㎡以上 | 10,000~30,000円 |
アスベスト調査や除去工事に対して、補助金制度を設けている自治体もあるので、あらかじめ確認しておきましょう。
アスベスト調査・除去を依頼する業者の選び方
アスベスト調査・除去をトラブルなく進めるためには、信頼できる業者を選ぶことが大切です。最後に、アスベスト調査・除去を依頼する業者の選び方を解説します。
アスベスト調査や除去工事の実績があるか
業者を選ぶときは、アスベスト調査や除去工事の実績があるかをホームページなどで確認しておきましょう。事前調査の報告書は作成が義務付けられているため、報告書の作成実績を確認するのもおすすめです。
特に、調査から除去工事まで一貫して対応できる業者は、アスベストに関する知識や経験が豊富で、調査結果を踏まえた除去工事の計画を立ててくれます。そのため、アスベスト調査と除去工事の両方の実績がある業者を選べば、より安心して任せられるでしょう。
資格を保有しているか
アスベストの取り扱いは危険性が高いため、適切に調査・除去工事を進めてくれる業者を選ぶことが大切です。そのためには、資格を保有している作業員がいるかを確認したうえで依頼先を検討しましょう。
2023年10月1日から事前調査の実施は、2023年9月30日以前に日本アスベスト調査診断協会に登録されている者、または以下の有資格者に限定されます。
- 一般建築物石綿含有建材調査者
- 特定建築物石綿含有建材調査者
- 一戸建て等建築物石綿含有建材調査者
また、アスベストレベル1・2の建材の除去工事が終わったあとは、以下の有資格者によりアスベストの取り残しがないことを確認しなければなりません。
- 建築物石綿含有建材調査者
- 当該除去作業に係る石綿作業主任者
工事実績と合わせて、これらの資格を保有している作業員がいるかも確認しておきましょう。
見積書に詳細が記載されているか
詳細な見積内容を提示したうえで「どのような調査・工事にいくらかかるのか」「追加料金は発生しないのか」などを事前に説明してもらえるかもチェックしましょう。
見積内容が曖昧な業者は、高額な追加料金を請求してきたり、本来必要な作業を省略したりするリスクが高い傾向があります。見積書を確認する際は金額だけでなく、工事内容が詳細に記載されているかも確認しておきましょう。
見積金額が安すぎないか
見積金額が安すぎる場合、コストカットのために作業の一部を省略したり、保護具を使いまわしたりする可能性があります。複数社に見積もりを依頼し、工事費用を比較したうえで適正価格かどうかを確認しましょう。また、見積書の内訳にアスベスト用保護具などの購入費が含まれていれば、用具を使いまわす心配が少ない業者であると判断できます。
まとめ
鉄筋コンクリート造の建築物にアスベストが含まれているかは、建築時期や設計図書である程度把握できますが、確実に判断するためには専門業者に調査依頼することが大切です。アスベストの含有が疑われる場合は、アスベストレベルや解体工事・リフォームの予定に応じて、適切に対処しましょう。