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アスベスト(石綿)によって引き起こされる病気や症状とは?検査方法や補償制度を解説

アスベストは、吸い込むと石綿肺や肺がんなどの病気を引き起こすリスクがあります。また、潜伏期間が十数年以上と長く、ゆっくり静かに不調が現れるのが特徴です。アスベストを取り扱う職業に従事している人や、以前働いていたという人は、そのリスクを知っておく必要があるでしょう。

またアスベストが使用された民間の建築物は、今も国内に約280万棟あると推定されており、誰にとっても無関係ではありません。そこで今回は、アスベストが原因で起こる病気の種類や症状、補償制度などを解説します。

アスベストとは?

アスベスト(石綿)は天然の鉱物繊維で、綿のように柔らかく、とても細い特殊な石です。熱・摩擦・酸・水などに強い性質があり、建物の屋根や天井、多くの建材・工業製品に使用されてきました。しかし、人体への有害性が明らかとなり、徐々に規制が入るようになります。昭和50年に吹付けアスベストが禁止され、平成16年にはアスベスト含有建材の新規の製造・使用が禁止されました。

アスベストで健康被害が起こる理由

成分自体に毒性はありませんが、形状と性質に有害性があります。繊維は髪の毛の5,000分の1程度と細く、空気中に舞うと浮遊するため吸い込みやすくなります。また針のような形状をしているため、一度吸い込むと肺胞に突き刺さり、分解されずに滞留するのが特徴です。身体の免疫システムが針を排除するために異常な反応を起こし、それが長期間続くことで健康被害を引き起こします。このように、有害物質を吸い込むことや、手について体中に入ることを「ばく露」といいます。

アスベストの吸引によって引き起こされる症状

アスベストを吸入した後、病気がすぐに発症するケースはほぼありません。発症後も初期症状は少なく、進行するにつれて以下の症状が現れます。

  • 息切れがひどくなった
  • せきやたんが以前に比べて増えた
  • たんの色が変わった
  • たんに血液が混ざった
  • 顔色が悪いと注意された
  • 爪の色が紫色に見える
  • はげしい動悸がする
  • 風邪をひいて、なかなか治らない
  • 微熱が続く
  • 高熱が出た
  • 寝床に横になると息が苦しい
  • 食欲がなくなった、急にやせた
  • やたらに眠い

参考:厚生労働省

これらの症状に該当する場合は、すぐにお近くの医療機関を受診しましょう。

アスベストが原因となる病気と潜伏期間

ここでは、アスベストが原因で発症する主な病気を紹介します。潜伏期間は、いずれも吸入してから発症までの十数年以上と非常に長いのが特徴です。

石綿肺

石綿肺はじん肺の一種であり、アスベストが要因で起こる場合に区別して呼ばれています。

石綿肺は、アスベストを大量に吸入することで発症する疾患です。針のような形状をもつアスベストによって組織が傷つけられ、長期間炎症が続くことで肺が線維化します。アスベストにさらされていない間も進行する場合があります。潜伏期間は、通常15〜20年ほどです。

肺がん

肺がんは、気管支や肺胞などに発生する悪性の腫瘍です。肺に到達したアスベストの刺激によって遺伝子異常が起こり、細胞ががん化すると考えられています。アスベストや他の要因でも発症しますが、喫煙の影響が大きいとされています。

また、アスベストが起因となる病気のうち、1番多いのが肺がんです。吸入から発症までの潜伏期間は15〜40年と長く、吸入量が多いほど発症率は高いです。喫煙とアスベストの両方をばく露すると相乗的に作用してしまうため、予防には禁煙が大切です。

中皮腫

中皮腫は、臓器を包んでいる胸膜、心膜、腹膜などの中皮細胞から発生します。アスベストを吸入した年齢が若いほど、発症リスクが高いことが知られています。低濃度でも発症する可能性があり、石綿業務に従事していた人だけでなく、家庭内や近隣の工場からのばく露による発症例もあります。平均潜伏期間は20〜50年ほどです。

びまん性胸膜肥厚

びまん性胸膜肥厚は、肺の表面を覆う胸膜が慢性的に線維化し、肥厚する病気です。アスベストの吸引以外にもさまざまな要因で発症します。潜伏期間はばく露量によって差がありますが、平均30〜40年ほどといわれています。

良性石綿胸水

良性石綿胸水とは、アスベストが要因で胸膜に炎症が起こり、胸水が溜まる疾患です。重症化しにくく、自然に消滅するケースが多いです。潜伏期間はアスベストが起因する病気の中では早く、数年〜数十年以内で発症するといわれています。

どのくらいアスベストを吸い込んだら発症するの?

高濃度のアスベストを10年以上吸入した場合に発症するケースがほとんどです。このように高濃度・長期間に渡って吸入した場合は、健康被害のリスクが高まることが認められています。しかし短期間・低濃度の吸入における危険性は不明な点が多く、どれだけの吸入量で発症するのかはまだ明らかとなっていません。

アスベストの検査方法

検査方法は、胸部X線、胸部CT、腹部CTなどの種類があります。ただし、検査ではアスベストが直接の原因であるかは明確にできません。

なかには石綿作業従事者のために「石綿健康診断」を実施している医療機関もあります。

アスベストの病気に関するQ&A

アスベストの病気に関する質問で、よくあるものを紹介します。

過去にアスベストを吸い込んだ可能性がある場合はどうする?

アスベストによる健康被害が心配な場合は、 保健所や各都道府県産業保健総合支援センター、労災病院に相談しましょう。

また、年に一度は健康診断で胸部X線などの検査を行うことが大切です。企業は、石綿業務に従事させていた、または従事させている従業員に、6ヶ月に一度、石綿健康診断を実施する義務があります。

離職者の場合は「石綿健康管理手帳」を交付申請することで、6ヶ月に一度、無料で健康診断を受診できます。なお、交付するには一定の要件を満たす必要があります。離職時であれば事業場の所在地を管轄する都道府県労働局に、離職後であれば申請者の住所の都道府県労働局に申請してください。

厚生労働省:「石綿に関する健康管理手帳」の交付について

吸い込んだアスベストは除去できる?

吸い込んでしまったアスベストの除去はできません。一部は痰に混ざって身体の外に排出されますが、大半のアスベストは肺の中に蓄積されてしまいます。

中皮腫や肺がんの発症を予防する方法はある?

アスベストのばく露における病気の発症を予防する方法で、現在有効なものは確認されていません。しかし、肺がんは禁煙によって発症リスクを下げられる可能性があります。

アスベストが原因の病気に対する補償制度

アスベストが原因で発病した場合には、さまざまな補償制度を活用できます。また、国や企業に対して損害賠償を請求する手段もあります。

労働者災害補償保険制度(労災保険)

労災保険は、仕事や通勤が起因した事故や病気になった場合に給付が受けられる社会保険制度です。労災保険の給付を受けるには、請求書に必要事項を記入の上、医療機関または労働基準監督署に提出します。詳しい申請方法は、厚生労働省のホームページを参照ください。

厚生労働省:労災保険制度の概要、給付の請求手続等

石綿健康被害救済制度

労災給付の対象とならない人への対策として作られた救済制度です。たとえば、アスベスト工場の近くに住む人や、労災保険の時効が過ぎてしまった人も、要件を満たすことで給付を受けられます。ただし、労災保険との同時受給はできません。

環境再生保全機構:救済給付のしくみ

損害賠償請求

アスベスト関連の訴訟は「工場型アスベスト訴訟」「建設型アスベスト訴訟」の2つに分類できます。訴訟は大掛かりなイメージがありますが、どちらも前例があるため、要件を満たすことで賠償金や給付金を受け取れます。

工場型アスベスト訴訟

工場内において石綿業務に従事し、健康被害にあった被害者が、国に賠償を求める起訴です。大阪泉南アスベスト起訴の判決をもとに和解要件が明確になっており、所定の要件を満たすと賠償金を受け取れます

法務省:アスベスト訴訟(工場労働者型)

建設型アスベスト訴訟

アスベスト含有建材を用いた建設作業に従事し、健康被害にあった被害者が、国や建材メーカーに賠償を求めた裁判です。令和3年5月17日の最高裁判決では、国の賠償責任が認められました。それを受けて「建設アスベスト給付金制度」が開始され、訴訟を起こさずに被害者が救済されるようになりました。

法務省:アスベスト訴訟(建設労働者型)

まとめ

アスベストを長期間大量に吸入すると、石綿肺、中皮腫、肺がんなどの病気を引き起こすリスクがあります。潜伏期間は15〜50年以上と非常に長いため、アスベストのばく露を受けた可能性がある人は、生涯に渡って石綿健康診断を受診する必要があります。半年または1年に一度、健康診断を受診して、早期発見する心がけが大切です。また、病気が発症してしまった場合は、最適な補償制度を活用しましょう。

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