アスベストが含まれている建築物の解体には、様々な届出を提出しなければなりません。「レベル3のアスベストの解体にも届出が必要なのだろうか」と疑問を抱える方もいるでしょう。この記事では、レベル3のアスベストを解体する時に必要な届出を分かりやすく解説しています。法改正後の注意点も併せて、ぜひ参考にしてください。
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レベル3のアスベスト解体工事に必要な届出
レベル3のアスベストを解体する時に必要な届出は、「建設リサイクル法」と「事前調査結果報告書」です。どちらも、アスベストの有無に関わらず提出しなければならない届出のため、レベル3のアスベスト解体に特別な届出は不要と言えます。「事前調査結果報告書」は、2022年4月1日に新しく義務化されたため、忘れないように注意が必要です。
「特定粉じん排出等作業実施届」と「工事計画届」はレベル1と2のみ、「建築物解体等作業届」はレベル2(建設業と土石採取業以外)のみ必要な届出となっています。
届出名称 | 届出の有無 |
建築物解体等作業届 | 不要 |
特定粉じん排出等作業実施届 | 不要 |
工事計画届 | 不要 |
建設リサイクル法 | 必要 |
事前調査結果報告書 | 必要 |
建築物解体等作業届
「建築物解体等作業届」とは、レベル2のアスベストを含む建材の除去工事を行なう時に必要な届出です。工事の規模、建築物の規模に関わらず、工事開始の14日前までに提出しなければなりません。建設業、土石採取業の場合は不要です。
特定粉じん排出等作業実施届
「特定粉じん排出等作業実施届」は、レベル1と2のアスベストを含む建築物の解体等を行なう時に必要な届出です。解体だけではなく、リフォームや修繕工事の時にも提出しなければなりません。「特定粉じん排出等作業実施届」の届出期日も、工事開始の14日前となっています。
工事計画届
「工事計画届」はレベル1と2のアスベストを含む建材の除去を行なう時に必要な届出です。元々はレベル1のみでしたが、大気汚染防止法が改正されたことにより、レベル2でも建設業もしくは土石採取業の場合は届出が必要になりました。「工事計画届」も、工事開始の14日前までが届出期日となっています。
建設リサイクル法
「建設リサイクル法」とは、特定建設資材(コンクリート、コンクリートと鉄からなる建設資材、木材、アスファルトコンクリート)を使用した解体等工事の際に必要な届出です。ただし、工事の規模や金額などによって届出の有無が変わります。建築物の解体は、床面積の合計が80㎡以上の場合に届出が必要です。工事開始の7日前までに提出しましょう。
事前調査結果報告書
「事前調査結果報告書」は、アスベストの事前調査の結果を報告する届出のことで、2022年4月1日から新設されました。工事の規模や金額などによって届出の有無が変わります。建築物の解体は、解体する部分の延床面積が80㎡以上の場合に届出が必要です。アスベストが検出されなかった場合でも、工事開始の14日前までに提出しましょう。
アスベストの事前調査結果報告書は2022年4月から義務化されたので要注意!
先述したように、アスベストの「事前調査結果報告」は、大気汚染防止法の改正により2022年4月1日から義務化された届出です。事前調査では、建築物等の図面を確認し、アスベストの有無を確認する「図面調査」と、実際に現地でアスベストの検体数を調べる「現地調査」が行なわれます。その後、検出されたアスベストを分析し、結果を報告します。届出を怠ると、30万円以下の罰金を科せられるため注意しましょう。
アスベストの事前調査結果報告書が必要な工事
アスベストの事前調査は、工事の規模に関わらず必ず行なわなければなりません。しかし、「事前調査結果報告書」は、工事の要件によっては届出が不要な場合もあります。ここではアスベストの「事前調査結果報告書」の届出が必要な工事の要件を確認しましょう。
解体部分の延床面積が80㎡以上の建築物の解体工事
建築物の解体を行なう際は、解体部分の延床面積が80㎡以上の場合、アスベストの「事前調査結果報告書」の届出が必要です。80㎡は畳数にすると約50畳で、ファミリー向けの賃貸物件や一軒家が対象となりやすいでしょう。もし届出の対象かどうかを知りたい場合は、図面などを確認するのがおすすめです。
請負金額が税込100万円以上の建築物の改修工事
請負金額が税込100万円を超える建築物の改修も、届出の対象です。改修を行なう箇所にもよりますが、フルリノベーションや増築の場合は、100万円以上の費用がかかることがほとんどでしょう。あらかじめ、見積もりを確認して届出の対象かどうかチェックが必要です。
請負金額が税込100万円以上の特定の工作物の解体または改修工事
請負金額が税込100万円を超える特定の工作物の解体、改修も届出の対象です。特定の工作物とはテニスコートや墓園、ゴルフコースなどを指します。面積や規模によって、100万円を超えるケースも多く、対象となる場合は必ず届出を行ないましょう。
総トン数が20トン以上の船舶(鋼製のものに限る)の解体または改修工事
総トン数が20トン以上の鋼製の船舶の解体、改修も届出の対象です。総トン数20トン未満の船舶は、アスベストを使い得る箇所がごく一部であることや、2〜3年の頻度で断熱材の交換を行なっていることから、届出の対象外とされています。(参照:https://www.mhlw.go.jp/content/11201250/000848108.pdf)
事前調査の報告は石綿事前調査結果報告システムから行う
アスベストの事前調査報告は、原則「石綿事前調査結果報告システム」から報告を行ないます。システムを利用するためには、事前に「GビズID」を取得する必要があります。GビズIDを取得することで、その他の行政サービスにもアクセスが可能です。書面で結果報告を行ないたい場合は、地方自治体と労働基準監督署への提出が必要となります。
アスベストのレベル毎の違い
最後に、アスベストのレベル毎の違いを確認しましょう。アスベストは1〜3のレベルに分けられており、レベル1が最も危険なレベルです。飛散性の高さや除去時の飛散の防止対策を知ることで、アスベストに対する知識や理解が深まるはずです。
レベル1
最も危険とされるレベル1のアスベストは、綿状のため飛散のリスクが大変高いとされています。耐火建造物の柱や立体駐車場の天井などに使用されていることが多いです。除去を行なう際には、周囲への注意喚起はもちろん、防じんマスクや防護服を着用して作業を行なわなければなりません。
レベル2
レベル2のアスベストは、レベル1よりも発じん性・飛散性が低いものの、安全とは言えません。断熱材や保温材として使われていることが多く、配管などに巻きつけて使用されています。配管ごと取り外すことが可能なため、レベル1よりもやや解体しやすいでしょう。しかし、レベル1と同じように厳重な作業が必要です。
レベル3
レベル3のアスベストは、レベル1とレベル2に比べて発じん性が比較的低いとされています。床材や壁材として使用されていることが多いため、割れにくく、飛散性も低いです。 ただし、法令の改正によりレベル3の建材も特定建設材料となったため、レベル1、2と同様の作業が必要です。
まとめ
レベル3のアスベスト解体工事には「建設リサイクル法」と「事前調査結果報告書」の届出が必要です。また、一定規模以上の解体・改修の場合は、アスベストの「事前調査結果報告書」を提出しなければなりません。事前調査の報告は「石綿事前調査結果報告システム」からオンラインでの提出が可能です。届出忘れがないように、しっかり確認をして解体工事に挑みましょう。