外壁にアスベストが使われている家に住むのは危険かもしれないといった不安を抱えている人が多いのではないでしょうか。なかには、外壁にアスベストが使われていた場合、どのように対処すべきか悩んでいる人もいるかもしれません。
そこで今回は、外壁にアスベストが使われているかの見分け方と、使用されている場合の対処法を解説します。アスベストの使用有無を確認し、適切な対処法を知りたい人は、ぜひ参考にしてみてください。
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外壁にアスベストが使われている家に住むのは危険?
アスベスト含有建材は飛散リスクに応じて3つのレベルに分類されます。外壁に使われるアスベスト含有建材は、レベル3に該当し、切断したり穴を開けたりしなければ、特別な対応が不要とされています。そのため、外壁にアスベストが使われていたとしても、日常生活を送るだけであれば問題ないといえるでしょう。
ただし、正しい飛散防止対策がされないまま、リフォームや解体工事を行えば、外壁のアスベストが飛散し、肺がんや中皮腫といった健康被害につながります。そのようなリスクを抑えるには、外壁にアスベストが使われているかをあらかじめ把握しておくことが大切です。
アスベストレベルによる危険性や除去費用の違いは、こちらの記事を参考にしてみてください。
【一覧表】外壁に使われていたアスベスト含有建材
外壁に使われている可能性がある代表的なアスベスト含有建材の種類や製造時期は以下の通りです。
名称 | 製造時期 |
石綿含有窯業系サイディング | 1960~2004年 |
石綿含有建材複合金属系サイディング | 1975~1990年 |
石綿含有押出成形セメント板 | 1970~2004年 |
石綿含有スレートボード・フレキシブル板 | 1952~2004年 |
石綿含有スレート波板 | 1918~2004年 |
石綿含有けい酸カルシウム板第1種 | 1960~2004年 |
石綿含有建築用仕上塗材 | 1965~1999年 |
石綿含有建築用下地調整塗材 | 1970~2005年 |
外壁にアスベストが使われているかの見分け方
外壁にアスベストが使われているかは、建築時期や設計図書で把握できる可能性があります。ここでは、外壁にアスベストが使用されているかの見分け方を解説します。
建築時期で判断する
アスベスト含有率0.1%を超える製品の製造・使用は、2006年に全面禁止となりました。そのため、2006年以前に建てられた建物の外壁には、アスベスト含有建材が使われている可能性があるといえます。なかでも、アスベストの規制が始まった1975年以前に建てられた建物は、外壁にアスベストが含まれている可能性が高いといえるでしょう。
設計図書を確認する
設計図書(設計図・仕様書)に記載された建材の商品名から、アスベスト含有建材かを確認する方法もあります。外壁に使われている商品名がわかったら、メーカーのホームページや国土交通省の「アスベスト含有建材データベース」で調べてみるとよいでしょう。
ただし、改修工事やリフォームで使われた建材の記録が漏れている場合もあるため、過去の工事履歴を把握することも大切です。
国土交通省:アスベスト含有建材データベース
専門業者に依頼する
建築時期や設計図書で必ずしも、外壁のアスベスト使用有無がわかるわけではありません。アスベストの使用有無を正確に把握するためには、専門的な知識・技術のある業者に確認を依頼することが大切です。
専門業者は書面や現地での調査、試料の分析などあらゆる方面からアスベスト建材の使用状況を確認します。外壁に劣化が見られる場合や、外壁の改修工事をする場合は、専門業者に調査を依頼しましょう。
外壁にアスベストが使われているときの対処法
外壁に使われているアスベスト建材は、飛散するリスクが比較的低いので、必ずしも早急に撤去しなければならないわけではありません。ただし、経年劣化によりアスベストが露出していたり、外壁を高圧洗浄したりする場合は、飛散リスクが高いので適切に対処する必要があります。
また、解体工事やリフォームをする場合は、アスベストが含まれているかの事前調査が義務付けられているため、使用が認められたときは除去工事の実施が必要となります。そのため、将来的に解体工事やリフォームをする可能性があるかも考慮しておくことが大切です。
ここからは、外壁にアスベストが使われている場合の対処法を詳しく見ていきましょう。
塗装する
外壁に激しい損傷などが見られず、アスベストが飛散するリスクが低い場合は、塗装によるメンテナンスを検討してみましょう。アスベストを取り除く作業はなく、外壁の上から塗装するだけなので、他の方法より費用を安く抑えることができます。ただし、外壁にアスベストは残るので、解体工事やリフォームをする際には除去工事が必要となります。
重ね張りする
費用を抑えてアスベストの飛散防止対策をしたい場合は、アスベストが使われている外壁の上に、新しい外壁材を張り付ける「重ね張り」も一つの手段です。ただし、塗装と同様にアスベストが残った状態となるので、外壁の張り替えや解体工事をするときの撤去費用が高くなってしまう可能性があります。
張り替えをする
アスベストが使われている外壁材を撤去し、新しい外壁材に張り替える方法もあります。完全にアスベストを取り除くので、解体時に除去工事をする必要がありません。
アスベスト除去工事をする際は、アスベストの飛散防止対策や廃棄物処理費用が発生するので、塗装や重ね張りと比べて工事費用が高額になる傾向があります。張り替え工事は、外壁材と下地がともに傷んでいる場合におすすめの方法です。
除去工事をする
除去工事は、張り替えと同様にアスベストを根本的に取り除く方法です。建物の解体工事をする場合は、外壁のアスベストの除去工事が必須となります。
外壁のアスベスト調査・除去費用の相場
外壁のアスベスト調査を業者に依頼する際の費用は、50,000~150,000円が相場です。調査費用は依頼先や建物のエリア、大きさによって異なるため、あらかじめ見積もり依頼をしておくのがよいでしょう。
外壁のメンテナンスやアスベスト除去工事にかかる費用の目安は以下の通りです。
工事方法 | 費用相場 |
塗装 | 50~100万円 |
重ね張り | 150~200万円 |
張り替え | 200~300万円 |
除去工事 | 40~150万円 |
アスベスト調査や除去工事に対して、補助金制度を設けている自治体もあるので、あらかじめ利用できるかを確認しておきましょう。
外壁のアスベスト工事を依頼する業者の選び方
外壁のアスベスト調査や除去工事の依頼業者を選ぶときは、ホームページで資格保有者の有無を確認したり、見積書の詳細をチェックしたりすることが大切です。最後に、外壁のアスベスト調査や除去工事を依頼する業者の選び方を解説します。
アスベスト工事の実績があるか
業者を選定する際は、アスベスト調査や除去工事の実績があるかを確認しておきましょう。アスベスト工事の実績が多いほど、知識や経験が豊富であり、安心して任せやすいといえます。ホームページで施工事例を掲載している業者もあるので、事前にチェックしておくのがおすすめです。
また、調査から除去工事まで一貫して任せられる業者であれば、調査結果を踏まえて適切に除去工事を進めてくれます。アスベスト工事をスムーズに進めたい場合は、アスベスト調査と除去工事の両方の実績がある業者を選びましょう。
資格を保有している作業員がいるか
アスベスト調査や除去工事にはリスクが伴うため、資格を保有している作業員がいるかを確認したうえで、業者に依頼しましょう。2023年10月1日から事前調査の実施は、2023年9月30日以前に日本アスベスト調査診断協会に登録がある者、もしくは以下の有資格者に限定されます。
- 一般建築物石綿含有建材調査者
- 特定建築物石綿含有建材調査者
- 一戸建て等建築物石綿含有建材調査者
資格を持たずに作業をする業者は、適切に調査・工事を進めず、トラブルにつながる可能性があります。施工事例と合わせて資格を保有している作業員がいるかを確認しておきましょう。
詳細な見積内容を提示してくれるか
詳細な見積内容を提示してくれる業者かどうかも、重要なチェックポイントです。「どのような作業を実施予定か」「項目ごとの費用はどのくらいか」などの詳細は、納得できるまで確認しましょう。
曖昧な見積内容を提示する業者や、質問に丁寧に回答してくれない業者は、高額な追加料金を請求してきたり、必要な作業を省いたりする可能性が高い傾向があります。見積金額だけでなく、工事内容や内訳といった細かい部分まで目を向けましょう。
見積金額が安すぎないか
他社と比較して見積金額が安すぎる場合、コストカットのために作業を省略したり、保護具を使いまわしたりする可能性があります。適正な価格かどうかを判断するためにも、複数社に見積依頼をするのがおすすめです。
まとめ
外壁に使われるアスベスト建材は、レベル3に該当し、切断したり穴を開けたりしなければ、飛散するリスクが低いとされています。そのため、外壁にアスベスト建材が使われていても、日常生活を送る分には、健康被害につながることはほとんどないでしょう。
ただし、壁の劣化が激しい場合や、解体・改修工事をする場合は、飛散するリスクに備えて適切に対処しなければなりません。必要に応じて適切に対処するためにも、外壁にアスベスト建材が使われているかを事前に把握しておきましょう。