家屋や建物の解体工事に伴って発生する廃棄物の中に、「コンクリートがら」と呼ばれるものがあります。工事を行う上で、具体的にどんなものになるのか気になっている方は多いのではないでしょうか。コンクリートがらは産業廃棄物に分類されるため、適切に処分しなければいけません。
この記事では、コンクリートがらとは何か、処分方法や活用方法、処分にかかる費用の相場などを詳しく解説します。適切な処分で工事を進めたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
解体のことなら、どんな些細なことでもご相談ください
アクティブは岡山で
圧倒的な実績と経験を誇る地域No.1の解体業者です。
建物解体工事から内装解体工事、アスベスト調査・除去まで安心してお任せください。
コンクリートがらとは?
コンクリートがらとは、建築や解体工事に伴って排出される「コンクリートのがれき」を指していて、「コンがら」や「がら」と省略して呼ばれることが多いです。産業廃棄物の種類は「がれき類」に分類されます。(参考:公益財団法人日本産業廃棄物処理振興センター「産廃知識 廃棄物の分類と産業廃棄物の種類等」)その他に「がれき」で思い浮かぶものとしては、地震などの災害で発生した廃棄物がありますが、産業廃棄物の種類に該当する「がれき類」とは異なりますので頭に入れておくと良いでしょう。
コンクリートがらとよく似た他の産業廃棄物
コンクリートがらとよく似た他の産業廃棄物として、
- コンクリートくず
- がら混じり残土
の2つがあります。それぞれの違いを具体的に解説しますので、理解を深めておきましょう。
1. コンクリートくず
「コンクリートくず」は、建築や解体工事以外で発生した廃棄物になります。具体例として、製品を製造する工程で生じたブロックくずなどが挙げられます。産業廃棄物の種類上、「がれき類」になるのか「コンクリートくず」になるのかは、排出方法によって変わるので覚えておきましょう。(参考:環境省「建設廃棄物処理指針(平成22年度版) )
2. がら混じり残土
建設現場などで発生する「がら混じり残土」は、産業廃棄物のがれき類に該当する「がら」と「残土」が混ざり合った状態のものを指します。それぞれ分別した上で処分するのが望ましいですが、分別が難しいケースではがら混じり残土として処分します。
コンクリートがらの処分方法
コンクリートがらは、産業廃棄物として処分されます。ただし9割が再利用されているので、埋め立て処分されるのは残りの1割です。再利用するためには、以下のような適切な分別が必要になります。
<分別方法>
- コンクリートがらを砕き、鉄筋などを取り除く。
- さらに細かく粉砕し、磁石選別機を使って金属類を取り除く。
- ふるいにかけて、粒度を調整する。
- 必要に応じて、さらに金属類を取り除く。
次の項目では具体的な活用方法を紹介します。
コンクリートがらの活用方法
コンクリートがらの活用方法は主に3つあります。どのようにリサイクルされているのか把握しておくと良いでしょう。
再生砕石の活用
活用方法として、「再生砕石(さいせき)」が挙げられます。砕石とは、採掘場で採れる天然の大きな岩石を一定の規格に合わせて、小さく砕いて選別した石のことで、再生砕石とは、砕石の代わりにコンクリートがらを再利用したものになります。砕石のように採掘場で岩石を砕いて加工する手間がかからないメリットがあります。
再生骨材の活用
「再生骨材」でリサイクルする方法もあります。コンクリートやアスファルトを作るときに使う石や砂の代わりに、建物解体後のコンクリートの塊を加工して骨材として再利用します。再利用するためには、木くずや金属くずを取り除いた上で、加熱して破砕する熱解砕と呼ばれる工程が必要になります。
再生路盤材の活用
コンクリートがらは、「再生路盤材」としても活用されています。路盤材は道路などの基礎を造る材料のことで、一般的には砕石や砂利を利用しますが、代わりに砕いたコンクリートがらやアスファルトを再利用したものが、再生路盤材になります。
コンクリートがらの処分にかかる費用相場
コンクリートがらの処分費用は、コンクリートがらにどんな不純物がどのくらい混ざっているかによって大きく変わります。不純物が少ないケースだと6千円/㎥程度で済むこともありますが、不純物が多くて種類の仕分けに手間がかかると、10万円以上/㎥になるケースもあります。また処分費用以外に、廃棄物を処分場まで運ぶ収集運搬費用も必要で、例えば2tトラック1台あたりだと1万3千円〜1万8千円程度かかるのが一般的です。それぞれの費用は地域や解体業者によって異なりますので、正確な費用を知りたい方は業者に見積もりを依頼しましょう。
産業廃棄物の不法投棄は罪になる
コンクリートがらなどの産業廃棄物を山中や川、空き地などに捨てる不法投棄は、違法行為になります。解体工事に伴う廃棄物の処分の責任は解体業者が負うため、施主が不法投棄を指示するなどしていない限り、施主が罪に問われることはありません。しかしながら、施主として不法投棄は違法行為だと認識した上で、工事を依頼する際は廃棄物を適切に処分してくれる業者を選ぶようにしましょう。
信頼できる解体業者の選び方
上述したとおり、解体工事に関しては不法投棄などのリスクがあるため、産業廃棄物をきちんと処分してくれる業者を選ぶことが大切です。ここでは、業者選びの最初の段階で優良業者かどうか判断するためのポイントを5つ紹介します。信頼できる業者を選べるようチェックしておきましょう。
マニフェストの発行を行なっている
まずは、マニフェストの発行を行なっているかどうか確認することが重要です。マニフェスト(産業廃棄物管理票)とは、産業廃棄物が適正に処分されているかを確認できる管理伝票のことで、産業廃棄物を出す排出事業者(=解体業者)が発行するよう義務付けられています。マニフェストには、排出事業者や収集運搬業者、中間処理業者の業者名、処理日などが記載されており、伝票を確認することで不法投棄されていないかを把握できます。マニフェストを発行しない業者の場合は、不法投棄をする可能性があるため、依頼を控えたほうが賢明です。
見積もりが極端に高すぎたり安すぎたりしない
解体業者からもらった見積もりの金額が極端に高すぎたり安すぎたりする場合は、注意が必要です。金額があまりに低いと、必要な作業工程を省いていたり、産業廃棄物を不法投棄したりしてコストを浮かせている可能性があります。また1社からしか見積もりを取らなかった場合は、相場よりも高い金額で依頼してしまうリスクがあります。極端に高すぎたり安すぎたりしない適切な価格で施工してくれる業者を選びましょう。
見積もりの内訳を教えてくれる
解体工事は建物を取り壊す費用以外に、足場を組む仮設工事費やカーポート・倉庫などの建物以外を撤去する付帯工事費、廃棄物処分費、諸経費などのさまざまな費用がかかります。同じ解体工事であっても、業者ごとで価格設定や作業内容などが異なるので、どの項目に何の作業が含まれているのかを確認する必要があります。優良業者であれば、見積もりの内訳をきちんと教えてくれるでしょう。
必要な許可や保険がきちんとある
解体工事を行うためには「解体工事業登録」または「建設業許可」が必須で、廃材を収集運搬する際には「廃棄物処理収集運搬業許可」も必要になります。また解体工事は事故やトラブルが起こりやすい作業になるため、一般的には業者が「損害賠償保険」に加入します。しかし中には費用を惜しんで加入していない業者もおり、万が一事故が発生した場合は、十分に対応できず事態が悪化するリスクがあります。信頼できる業者か見極めるためには、必要な許可を取得しているか、保険に加入しているかどうか確認することが重要です。
質問にしっかり答えてくれる
質問した際に、曖昧な返答を繰り返したり、はぐらかしたりする業者の場合は、あとでトラブルに発展する可能性があるので注意が必要です。見積もりの段階で少しでも不安を感じるようなら無理に依頼せず、質問にしっかりと答えてくれる信頼できる業者を選びましょう。
まとめ
コンクリートがらとは、建築や解体工事に伴って排出される「コンクリートのがれき」のことで、産業廃棄物の種類は「がれき類」に分類されます。よく似たものとして「コンクリートくず」が挙げられますが、コンクリートくずは建築や解体工事以外で発生した廃棄物になり、排出方法の違いによって区別できます。コンクリートがらの9割はリサイクルされており、再生砕石や再生骨材、再生路盤材などに活用されています。処分にかかる費用相場は、不純物の混ざり具合や種類などによって変わりますので、正確な金額については業者に見積もりを依頼しましょう。コンクリートがらを適正に処分してくれる信頼できる解体業者を選んで、工事を進めることが大切です。