所有している建物の解体工事を検討していると「養生シートを設置する必要があるのか」と疑問に感じるのではないでしょうか。なかには養生シートがないまま解体工事を進める現場を見て、近隣住民に迷惑がかからないのか不安を抱く人もいるかもしれません。
そこで今回は、養生シートを設置せずに解体工事をするリスクや、養生シートの種類ごとの費用を解説します。解体工事養生の見るべきポイントもまとめているので、信頼できる業者かどうかを判断する際の参考にしてみてください。
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解体工事は養生シートなしでもできる?
建物にアスベストを使用した建材がない現場では、原則として養生シートの設置が義務付けられていません。しかし、近隣トラブルや大きな事故を防ぐためには設置が必要不可欠です。
養生シートの設置を省略すれば時間と費用の節約ができますが、場合によっては大きなトラブル損害につながる可能性があるので注意が必要です。費用が安くなるからといって、解体工事を養生シートなしで進めるのは避けましょう。
養生シートなしで解体工事をするリスク
建物を養生シートで覆わずに解体工事を進めると、粉じんの飛散や騒音問題につながります。ここからは、養生シートをせずに解体工事をするリスクを解説します。
粉じんが飛散する
養生シートを設置せずに解体工事を進めると、発生した粉じんやほこりが現場周辺に広がり、以下のようなトラブルにつながります。
- 外に干している洗濯物にほこりが付着する
- 現場近くに駐車している車に粉じんが積もる
- 近隣住民や通行人が粉じんを吸い込んで体調を崩す
- 現場付近の建物の外壁に粉じんやほこりが付着し変色する
養生シートで粉じんやほこりが完全に防げるわけではありませんが、飛散リスクを最小限に抑えることが可能です。近隣住民の小さな不満が大きなトラブルに発展するケースもあるので、近隣への配慮を忘れないようにしましょう。
騒音問題が起きる
解体工事は、建物を取り壊す音や重機のエンジン音など、大きな音の発生が避けられません。そこで、少しでも騒音問題に発展しないようにするために、遮音性に優れた養生シートを設置する必要があります。
ところが養生シートを設置しなければ、現場周辺に大きな音がダイレクトに響き、近隣住民に多大なストレスを与えてしまいます。
工具や資材の落下事故につながる
適切な養生シートを設置すれば、解体工事中に工具や資材が落下しても、シートの外側に落ちるリスクを軽減できます。一方、養生シートの設置を怠ると落ちた工具や資材がそのまま通行人や作業員に当たり、大きな事故につながる可能性が高まります。
養生シートは粉じんやほこり、騒音の発生を抑えるだけでなく、解体工事を安全に進めるうえでも重要な役割があるのです。
近隣トラブルにつながる
養生シートを設置せず、粉じんの飛散や騒音の発生が抑えられていない解体工事は、近隣トラブルを招きます。それだけでなく、養生シートを使わずに解体工事をすること自体が近隣への配慮がない非常識な行為と感じる人は多くいるでしょう。
業者に加えて依頼主側の対応にも問題があると判断されれば、近隣住民から信用されなくなり、関係が悪化する可能性があります。一方、適切に養生シートを設置し近隣住民への配慮を徹底すれば、近隣トラブルが起きる確率を下げられるでしょう。
養生シートの種類ごとの単価
養生シートには、メッシュシートや防炎シートなどいくつか種類があります。ここでは、養生シートの種類ごとの特徴や単価を解説します。
メッシュシート
養生シートの代表であるメッシュシートは、足場を含めて建物全体を覆うことで工具や建材の落下、粉じんやほこりの飛散を防ぎます。設置費用の目安は1,500~2,000円/㎡です。
ブルーシートと比較すると、細かい穴が空いているメッシュシートの方が、通気性がよく風の影響を受けにくい特長があります。そのため、風で倒壊する心配がある地域や高所などで使用されるケースが多いです。
防音シート・パネル
防音シート・パネルは、住宅密集地での工事や大きい音が出る工事など、騒音を最小限に抑えたい場合に適しています。設置費用の目安は2,000~5,000円/㎡です。
防音シートは厚さ0.5~1mm前後の黒色もしくは銀色のシートで、なかには「防音」と書かれているものもあります。防音パネルは取り外しが簡単なので、施工時間が短く済みますが、価格が高めに設定されています。
防炎シート
防炎シートは燃えにくい性質があり、ガス溶断や溶接などの火気を使用する際に用いられます。設置費用は3,000~4,000円/㎡です。
飛散した火花が現場付近の建物に引火すると損害賠償トラブルに発展してしまいます。風が強く空気が乾燥している冬は、遠くの住宅まで飛散するリスクがあるので注意しましょう。
解体工事養生の見るべきポイント
養生シートが設置されていれば、問題ないというわけではありません。足場や養生シートの設置状態によっては、近隣トラブルや大きな事故が発生する可能性があります。ここでは、養生の見るべきポイントを解説します。
養生シートが破れていないか
破れている養生シートでは、粉じんの飛散や騒音を防げません。また、破れた養生シートを使っている業者は、買い替えられない経営状況であることも考えられます。
見栄えも悪いため、近隣住民の不信感につながり、苦情の原因となる可能性も高くなるでしょう。
養生シートの末端が縛られているか
養生シートの状態だけでなく、設置方法が適切であるかの確認も欠かせません。丁寧な養生ができない業者は、工事や近隣への配慮ができない可能性があります。
例えば、養生シートのハトメ(ひもなどを通す穴)を2個飛ばしで設置している業者などが挙げられます。そのような設置方法では粉じんや騒音の発生を抑えられず、近隣住民の不信感が高まる原因となってしまいます。大きなトラブルに発展しないよう、工事前に養生シートの設置状況も必ず確認しておきましょう。
養生が解体する建物より高いか
養生シートの高さが解体する建物より低いと、粉じんが漏れやすくなり、現場の近くにある建物や車などを汚す原因になります。
最悪の場合には、シートの外側にがれきが出てしまい、通行人や作業者に当たって大事故につながるケースもあります。近隣トラブルだけでなく命に関わるような事故を抑えるためにも、解体する建物よりも高い位置になっているかを確認しましょう。
適切な養生足場を仮設しているか
養生足場はシートを設置しているため、通常の足場よりも風の影響を受けやすい欠点があります。そのため、構造物との壁つなぎ(足場を壁に固定すること)をとるなどの安全対策が欠かせません。
また工事が進んで解体対象物がなくなると壁に固定できなくなるので、おもり(ウェイト)を置くなど、養生シートが飛ばされないような対策を取る必要があります。養生足場が適切に設置されていなければ、風の影響により足場が転倒する大事故につながります。そういった状況にならないためにも、適切な養生足場であるのかを確認することが大切です。
まとめ
基本的にアスベストが使用されていない建物の解体工事では、養生シートの設置が義務付けられていません。しかし、養生シートがない状態で解体工事を進めると、粉じんやほこりの飛散、騒音問題による近隣トラブルに発展する恐れがあります。
また、落下した建材や工具が通行人や作業員に当たり、大けがにつながるリスクも考えられます。近隣トラブルや事故を防ぐためにも、養生シートの設置の有無だけでなく、養生シートの状態や設置状況も合わせて確認しましょう。