「何年も使っていない土蔵を解体したい」「土蔵の解体費用はどれくらい?」と悩んでいる方もいるでしょう。家や庭と違って、土蔵の解体はなかなかイメージしにくいかもしれません。この記事では、土蔵の解体に疑問を抱えている方に向けて、解体の流れや費用相場、費用を安く抑えるポイントなどを解説しています。土蔵の解体工事を行なう際は、参考にしてください。
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土蔵とは?
最初に、そもそも「土蔵」とはどのようなものなのかをご紹介します。馴染みがなく想像しにくいかもしれませんが、土蔵の特徴や家屋との違いなどを知ることで、解体業者ともスムーズに話が進められるでしょう。
土蔵の特徴
土蔵は「蔵」とも呼ばれる、伝統的な建築様式の建物です。竹を格子状に組んだ土台に藁や土、砂を混ぜた白土を塗り、さらに30回ほど壁土を塗るため、厚さは約30㎝と頑丈です。昔は家財を守る貯蔵庫や倉庫として使われていました。土壁が採用されているため防火性能が高く、通気性がよいのが特徴です。しかし、屋根は骨組みの上にそのまま置いているだけのことが多く、解体の際には注意が必要です。
一般家屋との違い
土蔵は一般家屋よりも壁が厚いため、家屋よりも慎重に解体を行なわなければなりません。また、先述したように屋根部分は不安定な造りになっていることが多く、バランスを崩さないように気を付ける必要があります。万が一バランスが崩れて屋根が落ちると、作業員も落下してしまうリスクがあり、大変危険です。
土蔵を解体する流れ
それでは、土蔵の解体が実際にどのような流れで行なわれるのかを見ていきましょう。大まかな流れは家や庭の解体と同じですが、一部、土蔵の解体ならではの作業も含まれます。イメージを膨らませながら、土蔵解体の検討に役立ててください。
1.土蔵の中をあらかじめ確認しておく
まず、土蔵の中に物が残っていないか確認しましょう。長い間土蔵が放置されていた場合、価値のある骨董品が眠っているかもしれません。もし残留品が見つかったら、骨董品の専門業者にチェックしてもらいましょう。業者に買い取ってもらうことで、解体費用の足しにすることもできます。
2.解体業者の選定
土蔵内の確認が終わったら、解体を依頼する業者を選びましょう。できれば複数の業者に見積もりをお願いし、値段や工法を比較して選ぶのがおすすめです。また、ホームページなどで過去の解体実績も確認するのも大切です。口コミはもちろん、問い合わせ時の対応や見積もり提示のスムーズさもチェックするとよいでしょう。
3.現地調査
見積もりの際には、現地調査をしてもらうことも大切です。実際に現場を見てもらわなければ詳しい情報が分からず、見積もりが曖昧になってしまうでしょう。安全に解体を行なうためには、土蔵そのものだけではなく、重機の搬入が可能かどうかなど立地も確認してもらう必要があります。
4.見積もりの確認・契約
現地調査が終了したら、解体業者に見積書を提出してもらいます。見積書を確認する時には、きちんと工事内容が記載されているか、工法ごとに明細が記載されているかをしっかりチェックしましょう。値段の安さだけではなく、現地調査での対応も含めて信頼できる業者と契約を結んでください。疑問に思う点があれば、遠慮せずに質問しておきましょう。
5.足場と養生シートの設置
契約が完了したら、いよいよ解体工事に移ります。まずは高所作業のために足場を設置します。同時に、養生シートの設置も欠かせません。解体工事は騒音・粉塵が発生するため、近隣住民に迷惑がかかってしまうでしょう。周囲への影響を減らすためにも、土蔵の周りをしっかり養生シートで囲う必要があります。
6.残置物の撤去
土蔵内に残置物がある場合は、解体前にすべて撤去する必要があります。事前に自分自身で処分できるものは捨てておけば、その分費用を抑えることが可能です。また、業者による作業工程が減り、工期を短くできるケースもあるでしょう。
7.瓦の撤去
解体工事では、発生した廃棄物をきちんと分別して処分しなければなりません。分別をしやすくするためにも、まずは手壊しで瓦を撤去することが多いです。分別が不十分な場合、法律で罰せられる可能性もあります。
8.土壁の解体・処理
瓦の撤去が終了したら、重機を使用して土壁を解体します。もし重機の搬入ができない場合は手壊しとなってしまうため、時間と費用がかかってしまうでしょう。土壁は土と藁を混ぜて作られており、廃棄の時には土と藁を手作業で分別する必要があります。
9.産業廃棄物の処理
土蔵の解体が終了したら、産業廃棄物を分別してトラックなどで運び出します。瓦や土壁の残骸だけではなく、細かいほこりや土も綺麗に清掃しなければなりません。産業廃棄物は決められた処分場で処理しなければならないため、きちんと廃棄したかどうか業者に確認するとよいでしょう。
10.整地
仕上げとして、重機を使って土地の整地を行ないます。整地が不十分な場合、土地の売却の際に別途整地費用がかかる可能性もあるため、解体業者にしっかりと整地をしてもらいましょう。整地のやり方は複数あるため、事前に解体業者と相談しておくのがおすすめです。
11.現場確認・引き渡し
整地が完了したら、実際に現場に行って最終確認を行ないます。現場確認の際には、整地が十分にできているか、隣家に工事による影響が出ていないか、産業廃棄物がきちんと処分されているかを確認しましょう。問題がなければ、引き渡しをして工事完了となります。
12.解体費用の支払い
最後に、解体費用を支払います。解体業者から建物滅失登記やマニフェストなど書類を提出してもらえば、全ての行程が終了です。
土蔵の解体費用相場
土蔵の解体費用は、状態によっても異なりますが1坪あたり3.5万円〜が相場だと言われています。一般的な木造建築物の解体費用相場が3万円〜のため、土蔵の方が少し割高です。実際の費用は壁の強度や建材でも左右され、現場を見てみないと分からないことが多いです。そのため見積もりの際には、必ず現場調査を行なってもらうようにしましょう。
土蔵の解体費用が高くなる理由
土蔵は、土、藁、草など分別する項目が多いです。そのため、重機を使っての解体よりも手壊しがメインとなってしまいます。ほこりや粉塵を吸い込まないように、こまめな散水やゴーグルを使用しながら作業することもあるため、人件費が高くなってしまうのです。また、土蔵の解体技術を持った解体業者が減っていることも解体費用が高くなる原因となっています。
土蔵の解体費用を安く抑えるポイント
土蔵の解体費用相場が割高ということで、「なるべく安く抑えたい」と思った方も多いかもしれません。ここからは、土蔵の解体費用を安く抑えるポイントをご紹介します。少しでも負担額を減らして、無理なく解体工事を行ないましょう。
土蔵内の物を自分で処分しておく
先述したように、土蔵内の物は自分で処分をしておくのがおすすめです。業者に廃棄してもらうと、産業廃棄物として処分費が発生してしまうため、その分支払額も高くなってしまいます。また、業者による土蔵内の撤去作業が不要になれば、工事日程が減らせる可能性もあり、解体費用の削減に繋がるでしょう。
買い取ってもらえそうなものは業者に売る
もし、価値のありそうな骨董品が発見された場合は、専門家に鑑定してもらいましょう。レアケースではありますが、業者が高値で買い取ってくれる場合もあります。そうなれば撤去費用の削減と解体費用の足しになり一石二鳥です。
補助金や助成金を利用する
自治体によっては、空き家の解体に補助金・助成金制度が利用できることもあります。補助金や助成金を利用できれば、自己負担額を大幅に減らせるかもしれません。土蔵も制度の対象になる可能性があるため、自治体に問い合わせをしてみましょう。しかし、工事の時期や申請のタイミングによっては対象外になってしまうケースもあり、注意が必要です。
複数の業者に見積もりを依頼する
解体費用の削減には、複数の業者への見積もり依頼も効果的です。1社だけの見積もりでは、その金額が高いのか安いのかを判断できません。できれば2〜3社に見積もりを依頼し、費用や工事の方法を見比べましょう。
優良な解体業者を選ぶポイント
最後に、安心・安全に解体工事を進めるために、解体業者を選ぶポイントをご紹介します。解体業者の中には、後から高額な費用を請求してきたり、手抜き工事を行なう業者も存在します。悪徳業者に引っかからないためにも、ポイントを抑えて依頼する解体業者を決定しましょう。
ホームページなどに実績があるか確認する
解体業者を選ぶ時には、ホームページなどを確認して過去の解体実績を調べてみましょう。もし、値段は安いけれど実績が少ない業者と、値段は少し高いけれど実績豊富な業者で悩んだ時には、実績豊富な業者に依頼するのがおすすめです。口コミを確認したり、信頼できる知り合いから業者を紹介してもらうのもよいでしょう。
資格や許可を保有しているか確認する
解体工事では、土木施工管理技能士や建築士などの国家資格を持ち、実務経験のある者を技術管理者として選任しなければなりません。また、工事を行なう都道府県ごとに書類を提出して「解体工事業登録」の取得も必要です。契約を結ぶ前に、資格や許可を保有しているかどうか確認し、信頼できる業者かどうか見極めましょう。
極端に見積もりが安い業者は避ける
値段が安いからという理由だけで業者を決めるのは、あまりおすすめできません。その安さの裏には、適当な工事で隣家を傷つける、産業廃棄物を山林や川に不法投棄する、などの悪事が隠されている可能性があります。現地調査の対応をチェックしたり、安さの理由を聞いてみるなど、本当に安心して任せられるかどうか判断を見誤らないよう気を付けましょう。
まとめ
土蔵の解体費用は、壁の厚さや分別の複雑さから、一般的な木造建築物よりも割高になるケースが多いです。解体費用を少しでも安くするためには、土蔵の中の残置物を自分で処分したり、複数の業者に見積もりを依頼するとよいでしょう。しかし、他の業者よりも見積もり額が安すぎる場合は、何かしらのトラブルが発生する可能性もあるため、過去の実績をしっかりと確認するなど見極めが必要です。