ガソリンスタンドの解体工事は、一般的な住宅の解体と手順が異なるため、どのような流れで進めるのかがわからない人も多いのではないでしょうか。ガソリンスタンドの地下には燃料タンクが埋められているので、莫大な費用がかかるのではないかと不安を抱えている人もいるでしょう。
そこで今回は、ガソリンスタンドの解体方法や流れ、費用相場を解説します。費用を抑える方法や信頼できる業者の選び方も解説しているので、ガソリンスタンドの解体を検討している人は、ぜひ参考にしてみてください。
解体のことなら、どんな些細なことでもご相談ください
アクティブは岡山で
圧倒的な実績と経験を誇る地域No.1の解体業者です。
建物解体工事から内装解体工事、アスベスト調査・除去まで安心してお任せください。
ガソリンスタンドの解体方法と流れ
ガソリンスタンドの解体工事は、事務所や洗車機、看板などの撤去に加えて、地下にある燃料タンクの処理も実施しなければなりません。
解体工事をする際に十分な対策ができていなければ、燃料タンクに静電気や火花などの火種が近づいたときに、爆発事故が起きてしまう可能性があります。そのため、ガソリンスタンドの解体工事は、一般的な建物の解体と比べて難易度が高いのが特徴です。
大きな事故を避けるためには、施主として解体工事の流れを把握しておくことが大切です。まずは、ガソリンスタンドの解体方法と流れを見ていきましょう。
建物の内装解体
まずは事務所やサービスルームなどの建物の内装解体から始めます。具体的には備品や壁紙、床材の撤去を進めます。処分を依頼する廃棄物が多いと解体費用が高くなるため、備品は可能な限り自分で処分しておくとよいでしょう。
キャノピーの撤去
キャノピーとは、ガソリンスタンド全体を覆うようにして設置されている屋根のことです。キャノピーの形状や設置状況を確認してから重機を用いて取り崩し、柱の基礎部分も解体します。
建物の解体
キャノピーの撤去が完了したら、内装解体を済ませた事務所やサービスルームの解体に移ります。建物を解体する前に、養生シートを設置したり散水したりして、粉じんやほこりの飛散を抑えます。
地下タンクの処理
次にガソリンが保管されている地下タンクの処理をします。
地下タンクは、内部のガソリンや可燃性ガスを除去してから撤去しなければなりません。バキュームカーなどで残油を抜き取り、特殊な薬剤と高圧洗浄機を用いてタンク内を洗浄します。洗浄まで完了したらタンク内に水を張り油膜がないかを見たり、ガス検知器で可燃性ガスがないかを確認したりして、引火する危険性がないかをチェックすることが大切です。
地下タンク内のガソリンやガスが除去できたら、タンク本体の処理に移ります。タンクの処理は、完全に取り除く方法と埋め立てる方法の2つがあります。
タンクを地下から完全に取り除く場合は、引火しないようにタンク内に不燃性ガスを入れるなど対策をしなければなりません。不燃性ガスを入れたあとは掘り起こし、そのままの形状を維持しながら処分場に運びます。タンクを埋め立てる場合は、タンク内に水または砂を入れてから、周囲にコンクリートを流し込みます。
整地
最後に解体現場に残っているコンクリートやガラスなどを取り除きます。その後、きれいな土を搬入し、重機で踏み固める転圧作業をすることで土地を平らにします。どの程度土地を整えるのかは、その後の使用用途によって異なりますが、きれいな土地であるほど買い手が見つかりやすくなるでしょう。
ガソリンスタンドの解体費用
ガソリンスタンドの解体費用は、300~1,000万円が相場といわれています。ただし、土壌汚染が確認されると解体費用が数千万円以上になるケースもあるので、事前に土壌汚染がないのかを確認することが大切です。
また、地下タンクの処理方法によっても解体費用が異なり、地下から完全に取り除く方が埋め立てよりも手間がかかる分、高額になりやすい傾向があります。
ガソリンスタンドの解体費用を抑える方法
ガソリンスタンドを解体する際は、補助金の利用や土地活用によって費用を抑えられる可能性があります。ここからは、ガソリンスタンドの解体費用を抑える方法を解説します。
補助金を活用する
ガソリンスタンドの解体に伴い、地下タンクを完全に取り除く場合、一般社団法人 全国石油協会の補助金制度を利用できる可能性があります。補助金制度を利用するには、中小企業かつ財務状況の厳しい状態にあるなどの適用条件を満たさなければなりません。補助事業の詳しい内容は、全国石油協会のホームページで事前に確認しておきましょう。
土地活用を検討する
ガソリンスタンドの解体費用を抑える方法には、すべての設備を解体せずに活用する方法もあります。ガソリンスタンドの主な活用方法には、以下のようなものが挙げられます。
- 元々の設備を活かして洗車場にする
- 土地の広さを活かして太陽光パネルを設置する
- 貸事務所を建てて家賃収入を得る
解体せずに売却する
ガソリンスタンドの跡地を活用するのが難しい場合は、土地の売却を検討しましょう。基本的には解体して更地にした方が買い手が見つかりやすくなりますが、自費で解体費用を支払わなければなりません。
一方、買い手が見つかりにくくなりますが、解体せずに売却することができれば、解体費用を負担することなくガソリンスタンドを手放せます。そのままの状態でも事務所や物置に活用できるので、売却できる可能性も十分にあるでしょう。解体せずに手放したい場合は、訳あり物件専門の買取業者を中心に依頼するのがおすすめです。
ガソリンスタンドの解体工事で確認すべきこと
ガソリンスタンドの解体工事では、土壌汚染調査やタンクの撤去が必要であるかを事前に確認しておかなければなりません。ここでは、ガソリンスタンドの解体工事で確認すべきポイントを解説します。
土壌汚染調査が必要にならないか
ガソリンスタンドには、油の流出などによる土壌汚染のリスクがあるため、解体後に土壌汚染調査の実施を義務付けている自治体があります。また、解体後の土地を売却する場合は、事前に土壌汚染調査をするのが一般的です。
解体工事後に土壌汚染調査をすることにならないためにも、自治体の条例やガソリンスタンドの跡地の活用方法を事前に確認したうえで調査が必要であるかを判断しましょう。
タンクを残した状態で売却できるのか
ガソリンスタンドの解体工事を始める前に、タンクを残した状態で売却できるのかを確認しておくことも大切です。
ガソリンスタンドはタンクを完全に撤去した状態でなければ売却できないケースもあります。本来は完全に撤去しなければならないにも関わらず、タンクを埋め戻していると、タンクの撤去に莫大な費用がかかってしまいます。
タンクの処理方法を決める際は、買取業者に相談しながら、どの段階まで解体する必要があるのかを確認しておきましょう。
ガソリンスタンドの解体業者の選び方
ガソリンスタンドの解体は、一般的な住宅の解体よりも引火や爆発などのリスクが高い傾向があります。事故や近隣トラブルを避けるためには、解体工事を安心して任せられる業者を選ぶことが大切です。
信頼できる業者を見つけるには、会社のホームページなどで保有資格や解体実績を確認するのがおすすめです。特に可燃性タンクの撤去や槽内作業をしたことがある業者を選ぶと、ガソリンスタンドの解体工事もスムーズに進められるでしょう。
まとめ
ガソリンスタンドの解体では、燃料が保管されている地下タンクの撤去も行われるため、一般的な住宅の解体よりも危険性が高く、費用も高額になる傾向があります。爆発などの事故を避けるには、施主として解体工事の流れを事前に把握し、信頼できる業者を選ぶことが大切です。
ガソリンスタンドの解体費用は、補助金の利用や跡地の活用方法を検討することで抑えられる可能性があります。解体費用の負担が難しい場合は、解体せずにそのままの状態で売却できないかを検討するのも一つの手段です。