マンションの解体について「費用相場はいくら?」「解体費用は誰が負担するの?」と悩みを抱えている方も多いでしょう。今回は、マンション解体の費用相場や支払いは誰になるのか、マンションの解体を行うとどんなメリット・デメリットがあるかを解説しています。ぜひ、解体を検討する際の参考にしてください。
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マンションの解体が必要な理由
まずは、そもそもなぜマンションの解体が必要となるのかを確認しましょう。今は解体の必要がなくても、将来的に解体をしなければならない可能性もあります。解体が必要になった時のために、知識を蓄えておきましょう。
マンションの老朽化や寿命を迎えてしまった
マンションの解体が必要になる大きな理由は、マンションの老朽化や寿命です。マンションの寿命は大体30年~40年と言われています。定期的にメンテナンスを行わなければ、もっと短くなるケースもあり、必ずしも30年~40年住めるというわけではありません。外壁や内装に異変を感じた時には、その都度修繕・修理を行いましょう。
長く住めるマンションの特徴
マンションの寿命は30年~40年と言われていますが、「100年コンクリート」と呼ばれる耐久性が高いコンクリートを使用したマンションも存在します。100年コンクリートは、日本建築学会で「大規模な修繕工事がなくても100年程度は持つ」と提唱されているコンクリートです。定期的なメンテナンスを行えば、解体することなく長い期間住み続けられる可能性が高いでしょう。
新耐震基準を満たしていない
新耐震基準とは1981年に制定された基準で、震度6強から震度7までの地震でも崩壊・倒壊しないマンションの建設を求めているものです。旧耐震基準では震度5強が基準とされていたため、1981年以前に建設されたマンションは、新耐震基準を満たしていない可能性があります。新耐震基準を満たしていないマンションは解体の対象となるため注意しましょう。
建て替えができないマンションもある
老朽化が進んでいたり、耐震基準を満たしていないマンションでも建て替えができないケースもあります。土地によって、容積率や建ぺい率といった建物の大きさの限度を定める基準があり、それらをクリアしないと建て替えはできません。
また、建て替えによって利益を得られる場合は建て替えが可能ですが、そうでない場合は無理に建て替えをする必要はないでしょう。
マンションの解体費用の相場
では、マンションの解体費用の相場はいくらなのでしょうか。マンションの解体費用は、一般住宅に比べて大幅に高くなることが大半です。また、マンションの構造によっても費用が上下します。ここでは、構造別に費用相場を紹介していきます。
鉄骨コンクリート造(RC造)の費用相場
最も一般的である、鉄骨コンクリート造(RC造)のマンションの解体費用は、1坪あたり4万円~8万円が目安と言われています。木造や軽量鉄骨の2階建てアパートよりも相場は高めです。マンションの大きさによって金額が変化するため、事前におおよその金額を計算してみるとよいでしょう。
鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)の費用相場
鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)のマンションの解体費用は、1坪あたり5万円~8万円が目安と言われています。鉄骨鉄筋コンクリート造は、鉄筋コンクリート造よりも耐久性や耐震性が高く、その分やや相場が高くなっています。
スケルトン解体の費用相場
スケルトン解体とは、柱以外の内装を全て取り壊し、電気配線や排気ダクトなどの設備も撤去する解体工事です。スケルトン解体を行うと、自由に間取りを変更できるためリノベーション希望の場合に実施されることが多いです。スケルトン解体の費用は業者によって様々ですが、内装解体と建物全体の工事費用の中間の価格と考えておくとよいでしょう。
内装解体の費用相場
マンション一室の内装解体の費用相場は、1坪あたり1万5千円~4万円が目安と言われています。工事の内容によっては想像よりも価格が高くなるケースもあるため、見積りをしっかりと確認して解体業者と相談しましょう。
マンションの解体費用は誰が負担する?
続いては「マンションの解体費用は誰が負担するのか?」という疑問を解決していきます。ケースによって、オーナーが負担することも入居者が負担することもあるため、事前に確認をしておきましょう。
賃貸の場合はオーナーが負担する
賃貸マンションを解体する場合は、基本的に解体費用はオーナーが負担します。ただし、これまで管理費・維持費として支払っていた費用が解体費用として使用されることはあるでしょう。一方、分譲マンションの場合は入居者が負担することになるため、注意が必要です。
売却目的の内装解体は入居者が負担する
分譲マンションの内装解体を行う場合は、基本的に入居者が負担します。分譲マンションは1つ1つの部屋が個人の「資産」として扱われるため、資産を売却したいと考えている場合は自己負担となってしまうでしょう。賃貸の場合は、部屋は個人の資産にはならないため、売却することは不可能です。
敷地を売却する場合は入居者が負担する
分譲マンションを解体後、敷地を売却する場合も入居者が費用を負担します。分譲マンションの敷地を売却する時には、入居者(区分所有者)の5分の4以上が賛成する必要があります。また、敷地売却も同様に、賃貸の場合は入居者が売却することは不可能です。
建て替えによる解体の場合は状況によって変わる
分譲マンションの建て替えのために解体を行う場合は、状況によって誰が支払うかが変わります。毎月住民から積立金を徴収し、積立金の一部で解体工事を行うこともあるでしょう。積立金を使用しても解体費用が不足している場合は、入居者が費用を負担するケースもあります。建て替えの場合も、賃貸マンションの入居者に負担はありません。
マンションの解体費用の内訳
マンションの解体費用の内訳は、解体業者によって様々です。ここでは、「仮設工事費」「産業廃棄物の処分費」など主な内訳を7つご紹介します。見積りをイメージしながら参考にしてください。
仮設工事費
仮設工事とは、解体工事を行う前に仮設トイレや水道・電気を設置する工事です。業者によっては、養生費として計上されることもあります。仮設工事費はマンションの規模や構造によって価格に違いが出るため事前に確認を行いましょう。
養生や足場の設置費
工事現場では、安全に工事を行うために足場の設置や養生シートを設置する必要があります。足場の費用は高さと外周によって価格が上下するため、マンションの規模が大きければ大きいほど費用も増加します。養生シートは、素材によって価格が変わり、最も適した物を解体業者が選ぶことが多いです。
解体工事費
解体工事では重機を使用することが大半です。しかし、部分的に手作業で解体作業を行うこともあるでしょう。規模によっては人件費の増加によって工事費用が高くなる可能性もあります。また、マンションにアスベストが使われていた場合、一般的な産業廃棄物に比べて処分が難しいことから、追加で費用がかかることがあります。
産業廃棄物の運搬費
産業廃棄物の運搬費とは、解体工事によって発生した廃棄物の運搬に必要な人件費です。業者によっては「解体工事費」の人件費と合算して計上されることもあります。マンションの規模が大きくなればなるほど廃棄物の量も増え、運搬費が高くなるでしょう。
産業廃棄物の処分費
産業廃棄物の処分費とは、解体工事によって発生した廃棄物の処分に必要な費用です。解体工事では、多くの建材や木くず、金属くずが発生してしまいます。産業廃棄物は、一般の家庭ごみとは違って廃棄に高額な費用が必要なため、請求される処分費も高くなるケースが多いでしょう。
その他諸経費
解体工事では、使用するトラック駐車場代や、保険への加入費などの諸経費が発生します。工事をスムーズに行うために必要な経費ですが、細かい金額は業者によって様々です。内訳の詳細が気になる方は、見積りの時に確認することをおすすめします。
マンションの解体費用が高くなってしまうポイント
マンションの解体費用は、条件によっては平均金額よりも高くなってしまうケースもあります。以下のポイントを頭に入れ、解体費用の予算を計算してみましょう。
都市部にマンションが建っている
解体費用は、マンションが建っている場所によって変化します。一般的に、地方よりも都市部の方が解体費用が高くなる傾向にあるでしょう。その理由として、そもそもの人件費や重機のレンタル料などが高く設定されていることが挙げられます。
坪数が多い
マンションの解体費用は基本的に1坪あたりの値段で計算されるため、坪数によって大きく変動します。解体費用の目安を知りたい場合は、マンションの坪数を確認して計算を行うとよいでしょう。また、1坪あたりの値段は業者によって様々なため、複数の業者に見積りを依頼するのがおすすめです。
構造が鉄骨鉄筋コンクリートである
マンションの中でも、鉄骨鉄筋コンクリート造がもっとも解体費用が高いとされています。木造や鉄骨造と比べて耐久性が高いため、解体にも時間と手間がかかることが理由です。もし解体対象のマンションが鉄骨鉄筋コンクリート造の場合は、少し多めに予算を見積もっておいた方がよいでしょう。
隣接する道路が狭い
マンションに隣接している道路が、重機や大型トラックが入れないほど狭い場合は、解体作業を人力で行う範囲が増えてしまいます。そのため人件費が増加し、全体の解体費用も高くなるでしょう。また、隣家や他のマンションとの距離が極端に近い場合も、重機の使用を控えなければならず、人件費が増加することもあります。
マンション以外に解体するものがある
マンション以外にも、敷地内の庭木や倉庫を撤去したい場合、追加で解体費用が発生します。何を撤去するかによって追加費用は変わるため、見積りの時点でしっかりと業者に伝えておきましょう。もし可能であれば、知人に譲渡したりリサイクルセンターに引き取ってもらうことで追加の解体費用を削減できることもあります。
アスベストが使用されている場合は要注意!
マンションにアスベストが使用されている場合は、解体費用が高くなる可能性があります。アスベストの廃棄は特殊な方法で行われるため、他の産業廃棄物よりも廃棄費用が膨らんでしまいます。アスベストは、発塵性によって以下のレベル1~3に分類されます。
レベル1
レベル1は最も発塵性が高く、大量のアスベストが含まれる粉塵が飛散する可能性があります。アスベストの中でも特に慎重に扱わなければならず、廃棄の値段も高くなってしまうでしょう。立体駐車場や体育館に使われているアスベスト含有吹き付け材などがレベル1に該当します。
レベル2
レベル2は、レベル1よりは劣るものの発塵性が高いものが分類されます。アスベストの密度が低いため、大量に飛散するリスクがあるでしょう。ボイラーや空調ダクトの保温材などに使われており、レベル1よりも汎用性が高いのが特徴です。
レベル3
レベル3は、発塵性はあるもののレベル1と2に比べると低リスクなものが分類されます。外壁材や天井、床など身近なものに使用されています。日常でレベル3の建材を使用していたとしても飛散の可能性は低いですが、解体時には注意が必要です。
マンションの解体を行うメリット・デメリット
最後に、マンションの解体を行うメリットとデメリットを見ていきましょう。よい点と悪い点を比較して、慎重に解体の判断をすることが大切です。
メリット:買い手が見つかりやすくなる
マンションを解体し、土地を更地にした場合、買い手が見つかりやすいというメリットがあります。すぐに新たな建物を建てられますし、土壌調査もスムーズに行えます。次の買い手を探したい場合は、解体をした方がよいでしょう。
メリット:売却価格が高くなる
マンションが老朽化している場合、そのまま売却するよりも、解体して更地にした方が売却価格が高くなる可能性があります。買い手が自由に次の用途を選べるという点でも、解体しておいた方がお互いにより満足度の高い売買ができるでしょう。
デメリット:解体費用がかかる
マンション解体のデメリットは、なんと言っても費用がかかってしまうことでしょう。しかし、複数の業者に見積りを依頼してより安く解体をしてくれる業者を選んだり、市区町村の補助金制度を利用することで、費用を抑えることも可能です。
まとめ
マンションの解体費用は、構造と坪数によって相場に差があります。賃貸の場合は基本的に全額オーナーが負担し、分譲の場合は入居者が負担することが多いでしょう。建て替えによる解体の場合は、双方が負担するケースもあります。解体費用は、立地やアスベストの有無、廃棄物の撤去の量によって金額が変わるため、注意が必要です。解体には高額な費用がかかってしまいますが、きちんと整地を行うことで買い手が見つかりやすく高額で売却できる可能性もあるでしょう。