古家の解体費用の相場がわからなくて、何年も放置してしまっている……。そんな悩みはありませんか?古家の解体は経験することが少なく、何から手をつければ良いかわからないので、なかなか重い腰が上がりませんよね。
しかし放置しておくと、固定資産税や火災保険などの維持費がかかってしまいます。古家を上手に活用するためにも、解体にかかる費用を把握して活用の方向性を決めることが大切です。そこで今回は「古家の解体費用の内訳」や「古家付き土地の4つの選択肢」を紹介します。
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古家の定義とは?
古家は「建物の価値がほぼない家」のことをいい、「手を加えれば住める家」は中古一戸建てと呼ばれます。ただし明確な定義ではないので、地域や不動産会社によって呼び方が異なります。
古家の解体費用の内訳
まずは、古家の解体費用の主な内訳を紹介します。
古家の取り壊し費用
古家の取り壊し費用は、解体に必要な重機、作業員や現場管理者の人件費などです。古家の構造や坪数、立地などで金額が変動するため、各々の状況に合わせた見積もりが必要となります。
付帯工事費用
付帯工事費用は、仮設工事や建物の解体以外にかかる以下の費用です。
<仮設工事>
- 足場・養生の設置
- 仮設トイレの設置
- 電気・水道の設置
<建物以外の撤去>
- 庭木・庭石
- 境界フェンス
- カーポート
- 地中埋設物(浄化槽・上下水道など)
廃棄物処理費用
廃棄物処理費用とは、解体で発生した産業廃棄物の処分にかかる費用です。産業廃棄物は一般ごみと異なり、法律に基づいて処分しなければいけません。廃材の品目ごとに経由する中間処理業者が異なるため、費用がかさみやすいです。
その他諸費用
その他諸費用は解体業者によって異なります。一般的には、解体工事に直接関わらない以下の費用がかかります。
- 工事の申請手数料
- 近隣住民への対応(挨拶・トラブル対応)
- 工事車両の駐車代
- 工事賠償保険料
古家の解体費用の金額が決まるポイント
古家の解体費用の金額は、さまざまな要因で変動します。ここからは、金額が決まるポイントを紹介します。
坪単価
坪単価は解体費用を算出するベースとして用いられ、「建物の延べ床面積×坪単価」で計算します。延べ床面積は、2階建てであれば1階と2階部分を合算した面積です。延べ床面積が広いほど費用総額は高くなりますが、坪単価は下がる傾向があります。
なお、延べ床面積が同じであれば、2階建てより平家のほうが費用が高くなる傾向があります。これは屋根や基礎部分の面積が大きいほど解体に費用がかかるためです。
古家の構造
古家の構造は、解体費用の金額が決まる大きなポイントです。一般的に強度の高い構造であるほど、解体作業に手間がかかるため「木造<鉄骨造<鉄筋コンクリート」の順で費用が高くなる傾向があります。解体費用目安は下表の通りですが、実際の解体費用は地域や業者によって異なります。
構造 | 1坪あたり | 30坪あたり |
木造 | 4万円前後 | 120万円前後 |
鉄骨造 | 6万円前後 | 180万円前後 |
鉄筋コンクリート造 | 7万円前後 | 210万円前後 |
古家の周辺環境
古家の周辺環境も解体費用に影響を与えるポイントです。道路の幅が狭い古家では、重機が入れないため、手作業で解体が行われます。手作業は解体に時間がかかり、多くの人手が必要となるため、解体費用が割高になります。
また隣の家と距離が近い場合も、防音対策や防じん対策などの特別な配慮が必要となるため、解体費用が割高になります。解体工事費用を検討する際は、周辺環境も忘れずにチェックしましょう。
古家の所在地
解体費用は地域によって異なり、都市部よりも地方のほうが安い傾向があります。地域によって人件費や廃棄物処理などのコストに差が出るためです。
アスベスト(石綿)の有無
アスベスト(石綿)の有無によって、解体費用が大きく変わります。有害物質のアスベストが建物に含まれていると、特別な飛散防止対策を行ったうえで解体する必要があるため、解体費用が高くなってしまうのです。
アスベストは使われている建材によって3つの作業レベルに分けられ、作業レベルが1に近づくにつれて危険度と費用が高くなります。
アスベストの危険性や作業レベルは、こちらの記事で詳しく解説しています。
依頼する解体業者
解体費用は依頼する解体業者によって大きく異なります。解体業者の経験値や保有する重機の違いで、得意とする建築物が異なるのが理由の1つです。
依頼する時期
解体費用は工事を依頼する時期によっても異なり、閑散期より繁忙期のほうが高くなりやすいです。解体工事は、決算期とともに解体の需要が高まる12〜3月が繁忙期となります。一方、年度が明けた4〜10月は閑散期となることが多く、4〜6月はとくに工事が少ない時期といえます。
古家付きの土地に与えられた4つの選択肢!
古家付きの土地には、以下の選択肢があります。
- 更地にして売る
- 更地にして管理する
- 古家付きのまま売る
- 古家付きのまま管理する
古家付きの土地は、活用方法ごとの特徴を押さえたうえで最善の選択をする必要があります。
更地にして売る
更地にすると買い手が見つかりやすく、売却後に建物部分の「契約不適合責任」に問われる心配がないメリットがあります。契約不適合責任とは、買主に伝えていなかった雨漏りや白アリなどが契約後に発覚したときに、売主に問われる責任です。
しかし解体費用がかかり、土地の固定資産税の軽減措置もなくなるため、売れるまでの負担額が増えてしまう可能性があります。
更地にして管理する
古家を解体し、更地にしてから管理すると、火災保険や水道光熱費などの維持管理費用がかからなくなるメリットがあります。また建物の経年劣化によって近隣住民に迷惑をかける心配もなくなります。
しかし解体費用がかかり、土地の固定資産税の軽減措置がなくなってしまうデメリットもあるため、解体するべきかをよく検討したほうが良いでしょう。
古家付きの土地として売る
古家付きの土地として売る場合、解体費用がかからず、土地の固定資産税も上がらないため資金面の負担が少なく済みます。しかし、古家付きの土地は買い手が見つかりにくく、解体費用を見込んだ価格設定が求められるため、売却価格を低く見積もられやすい傾向があります。売却後に「契約不適合責任」を問われる可能性もあるため、慎重な判断が必要です。
古家付きの土地をそのまま管理する
古家付きの土地をそのまま管理する場合には、解体費用の準備や、土地の固定資産税が上がる心配がないことがメリットです。しかし、古家の管理には定期的な手入れが必要で、放置してしまうと近隣住民とのトラブルに発展してしまう可能性があります。
また空家等対策特別措置法により「特定空き家」に指定されると、土地の固定資産税の軽減措置が適用されなくなってしまうケースも考えられます。
古家の解体費用を安く抑える3つのポイント
古家の解体費用を安く抑えるには、以下のポイントを押さえておきましょう。
- 複数の業者に見積もりを取る
- 家財や植木などを自分で処分する
- 自治体の補助金・控除を利用する
解体費用を安く抑えるための方法は、こちらの記事で詳しく解説しています。
古家を解体する際の注意点
古家を解体する際の注意点を4つ紹介します。
再建築不可物件でないか事前に調査する
再建築不可物件とは、新たに建物を建てられない土地のことです。建築基準法によって「接道義務」が設けられており、条件を満たしている場所でなければ再建築できない決まりがあるのです。古家を解体した後に再建築できないと判明した場合、活用の範囲が狭まってしまうので事前に確認しておきましょう。
信頼できる解体業者を選ぶ
解体業者によっては、費用が高くついたり、トラブルが起きたりする可能性があります。契約書や見積書をきちんと発行し、詳細をわかりやすく説明してくれる業者には安心して工事を任せられるでしょう。
また解体許可を得ているかの確認も必要です。信頼できる業者を選び、安全に適正な価格で工事を行いましょう。
解体工事の届け出を提出する
解体工事は、自治体や警察署へ必要に応じて届け出をしなければなりません。建物の延べ床面積が80平方メートル以上の解体工事では7日前までに「解体工事の届け出」を市区町村に提出し、古家前の道路に大型トラックなどを駐車する場合は「道路使用許可申請」が必要です。また工事終了後には「建物滅失登記」の手続きを法務局で行わなければなりません。
いずれの届け出も提出しなかった場合は、工事停止や再建築ができなくなるなどのトラブルにつながるので必ず提出しましょう。
近隣住民への挨拶回りを行う
解体工事は、騒音や振動、粉じんの飛散などが発生するため、近隣住民への挨拶回りが欠かせません。専門的なことを聞かれても対応できるように、業者の方に付き添ってもらうとより安心できるでしょう。
まとめ
古家の解体費用は、建物の構造や状況などによって変動します。まずは、どのような項目に費用がかかるのか、メリットやデメリットなどの全体像を把握しておきましょう。解体するのか維持するのか、売るのか売らないのかの選択は、古家の状態や保有者の要望によって異なります。解体しないほうが良いケースもあるため、まずは専門業者に相談してみましょう。