ガーデニングや土地改良材として使われるバーミキュライト。バーミキュライトとアスベストの関連性に疑問を抱いている人も多いでしょう。この記事では、バーミキュライトの特徴や、パーライトとの違い、アスベストとの関連性などを解説しています。ぜひ参考にしてください。
そもそもバーミキュライトとは?
バーミキュライトはひる石とも呼ばれ、苦土蛭石(くどひるいし)という鉱物を加工したものです。ここでは、バーミキュライトの特徴や用途などを詳しく解説します。
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バーミキュライトの特徴
バーミキュライトは主に、酸化ケイ素、酸化マグネシウム、酸化アルミニウムなどから構成されています。保水性や通気性、保肥性に優れていることから、園芸や農業の際に使われることが多いです。また、バーミキュライトの比重は通常の土の10分の1程度とかなり軽く、土壌の軽量化も期待できます。さらに、断熱性や保温性も高く、水耕栽培に向いているのも大きな特徴です。土に混ぜて使用するのはもちろん、バーミキュライト単体で挿し木用土として使用されることもあります。
パーライトとバーミキュライトの違い
バーミキュライトと特徴が似ているとされているのが、パーライトです。バーミキュライトは鉱物を加工して作られたものですが、パーライトは火山岩が元となっています。パーライトとバーミキュライトの大きな違いは保水性です。パーライトの方が水はけがよく、こまめな水やりが必要な植物を育てるときに使用されることが多いです。一方、バーミキュライトは苗や種、ある程度の乾燥が必要な植物を育てるときに使用されます。
バーミキュライトの用途
先述したように、バーミキュライトは園芸や農業に使われることが多いです。しかし、バーミキュライトの使用用途はそれだけではありません。例えば、保温性や断熱性に優れていることから、軽量コンクリートとして使用されています。建築物の天井や壁面に使われ、断熱材としての役割も担う貴重な材料です。他にも、保水性や断熱性を活かし、使い捨てカイロの材料や釣り餌の保存材としても使われています。
吹付けバーミキュライト(ひる石)とは?
ここまで、バーミキュライトについて解説してきましたが、吹付けバーミキュライトとは何なのか気になっている方も多いでしょう。吹付けバーミキュライト(ひる石)とは、バーミキュライトとアスベストを混ぜ合わせ、壁や天井に吹付けたものです。建築物の内装の仕上げ材として、廊下や階段室などで使用されていました。吹付けバーミキュライトは1988年に製造が終了しており、現在は使用されていません。しかし、1988年以前に建てられた建物を解体する場合は注意が必要です。吹付けバーミキュライトはしっかり固まっているため、基本的には飛散しないと言われていますが、劣化が進んでいる場合や災害時、解体作業を行うときには、飛散する可能性もあるでしょう。
その他のアスベスト含有建材の種類と特徴
続いては、吹付けバーミキュライト以外に、アスベストが含まれている建材を3つご紹介します。アスベストによる健康被害を防ぐためにも、使用されている場所や特徴を理解しておきましょう。
吹付けアスベスト
吹付けアスベストは、アスベストとセメントなどの結合材、水を混ぜて吹付けたものです。綿状の見た目をしており、柔らかさがあるのが特徴です。材料の色は、クロシドライトの場合は青色、アモサイトの場合は茶色になります。また、2層吹きになっている場合は、灰色や白色になっているケースもあります。
吹付けアスベストは、以下の場所によく使用されています。
- 鉄骨造建造物(柱、鉄板床など)
- 鉄筋コンクリート造建築物(駐車場の天井、壁など)
- 鉄骨鉄筋コンクリート造建築物(駐車場の天井、壁など)
吹付けロックウール
吹付けロックウールは、ロックウールとセメント、アスベストなどを混ぜ合わせ吹付けたものです。また、石綿の含有重量が製品重量の0.1%を超えるものを指します。見た目は、吹付けアスベストと同じく綿状で柔らかいのが特徴です。材料の色も吹付けアスベストに似ているため、吹付けアスベストだとはっきり識別できないものを、吹付けロックウールと判断することが多いです。
吹付けロックウールは、以下の場所によく使用されています。
- 鉄骨造建造物(柱、鉄板床、鉄骨の梁など)
- 鉄筋コンクリート造建築物(駐車場の天井、壁など)
- 鉄骨鉄筋コンクリート造建築物(駐車場の天井、壁など)
折板裏打ち石綿断熱材
折板裏打ち石綿断熱材は、鋼板の屋根材に石綿を貼り付けたものです。また、石綿の含有重量が製品重量の0.1%を超えるものを指します。折板裏打ち石綿断熱材は、金属折板屋根が使用されている建物に使用されていることがほとんどです。断熱や消音を目的に使われており、スポンジ状やゴム状の見た目をしています。
折板裏打ち石綿断熱材は、以下の場所によく使用されています。
- 倉庫
- 車庫
- 渡り廊下などの金属板屋根裏
吹付けバーミキュライトが使われている可能性のある場所
吹付けバーミキュライトは、断熱や消音のために使われます。そのため、防音目的や結露を防ぐために部屋の天井に使用されていることが多いです。しかし、吹付けバーミキュライトが使われている天井全てにアスベストが含まれているわけではありません。
吹付けバーミキュライトを目視で判別する方法
吹付けバーミキュライトを判別するには、表面をチェックしましょう。平坦ではなく、粒状にデコボコしており、力を入れて触ると弾力があります。触るとポロポロと落ちてきやすいのも特徴です。色は黄金色で、よく見ると光沢のある雲母状の鉱物が確認できることもあります。
吹付けバーミキュライトが含まれている商品名
吹付けバーミキュライトが含まれている商品は、国土交通省・経済産業省の「石綿(アスベスト)含有建材データベース」にて以下が紹介されています。
- ミクライト
- ウォールコートM折板用
その他にも、モノコートやバーミライト、ソノライト吸音プラスターなどが該当します。
まとめ
バーミキュライトは、苦土蛭石(くどひるいし)という鉱物を加工したものです。保水性や通気性、保肥性に優れており、園芸や農業の際に重宝されています。また、バーミキュライトとアスベストを混ぜ合わせた吹付けバーミキュライトは、1988年以前に建築物の内装の仕上げ材として、廊下や階段室などで使用されていました。吹付けアスベストやロックウール、折板裏打ち石綿断熱材よりも弾力があり、黄金色の見た目をしているのが特徴的です。