街中でよく見かけるブロック塀ですが、老朽化したり、耐震性が低かったりするものもあり、大きな地震などの災害時には倒壊する危険性が高いことから問題視されています。そこで自宅や遠方の実家に設置しているブロック塀を解体したいけど、「費用がいくらかかるのか?」と気になる方も多いでしょう。
この記事では、ブロック塀解体の費用相場や解体するべきブロック塀とはどんなものか、解体時の流れと注意点、さらに解体に補助金は出るのかどうかについても詳しく解説します。近隣に迷惑をかけてしまう前に解体を検討したい方は、ぜひ参考にしてみてください。
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ブロック塀を放っておくとどうなる?
老朽化や十分な強度が確保されていないブロック塀を放っておくと、地震や台風などの自然災害が起きた際に倒壊する危険があります。万が一、所有しているブロック塀が倒壊するなどして人や物に危害を加えてしまった場合、所有者に責任が及びます。過去には損害請求を起こされたり、刑事告訴されたりするケースもあるので注意が必要です。現在ではブロック塀の安全性強化のため、建築基準法によって、塀の高さや厚み、鉄筋を入れるなどの基準が細かく決められています。所有者は危険なブロック塀を安易に放置せず、倒壊の可能性があることをしっかりと認識し、解体を検討する必要があるでしょう。
解体するべきブロック塀とは?
ここからは、解体するべきブロック塀について解説します。倒壊する危険を放置しないためにも把握しておくと良いでしょう。
ひび割れているブロック塀
ブロック塀はコンクリートの壁と異なり、ひび割れが起こりにくい性質をもっています。しかし経年劣化により、ひびが入ってしまう場合があります。ひびが入った箇所に雨水が入り込めば、中の鉄筋がさびて劣化を促進させ、壁の強度が落ちてしまいます。小さなひびはモルタルなどで補修できますが、大きくひび割れている場合は、倒壊の危険が高いため、解体を検討しましょう。
高さが高すぎるブロック塀
ブロック塀の高さは、建築基準法で「地盤から2.2m以下」と定められています。(参考:「ブロック塀の高さ」一般社団法人全国建築コンクリートブロック工業会)基準よりも高い場合、揺れに弱く、崩れる危険があるためです。しかし高さ制限がかかる前に設置された塀や違法に設置された塀も存在します。所有している塀の高さが不明な場合は一度確認した方が良いでしょう。塀の理想的な高さは1.2m以下とされています。
厚みがないブロック塀
建築基準法で、塀の厚みは「10cm以上」と定められています。塀の高さが2m超え、2.2m以下の場合の厚みは「15cm以上」が求められます。(参考:「ブロック塀の厚み」一般社団法人全国建築コンクリートブロック工業会)ブロック塀の高さに対して、十分な厚みがなければ、倒壊する危険が増すからです。安全のために守るべき基準になりますので、注意しましょう。
不安定な状態のブロック塀
目視したときに、明らかに傾いているなど不安定な状態のブロック塀は、早めに解体した方が良いと言えます。傾く原因として、地震などの自然災害や長年風雨にさらされるなどで、地盤や基礎に不具合が起こっている可能性が考えられます。傾いていたり、手で押しただけでぐらついたりするなどあれば、地震や台風などの影響で倒れてしまう危険があります。
作られてから時間が経っているブロック塀
ブロック塀の耐用年数は一般的に30年、塀の骨組みに使われている鉄筋の耐用年数は15〜20年と言われています。見た目に異常がない場合でも、中の鉄筋が劣化している可能性がありますので、設置から15〜20年経過したら解体を検討するタイミングだと覚えておきましょう。
耐震補強がされていないブロック塀
建築基準法に基づいて作られたブロック塀は、耐震補強がされているため、大きな地震でも基本的には倒壊しないようになっています。しかし所有している塀が耐震補強されていない場合は、安全が確保されないため、解体して耐震性を高めた塀に立て直す必要があります。
鉄筋が入っていないブロック塀
建築基準法では、ブロック塀の中に鉄筋を入れるよう定めています。鉄筋を一定間隔で配置したり、重ねて結束させたりすることで、ブロック同士の結合を強化させるためです。鉄筋がない場合、ブロックがバラバラに崩れ落ちてきてしまう危険がありますので、解体を検討した方が良いでしょう。
ブロック塀の解体にかかる費用相場と内訳
解体にかかる費用相場と内訳について解説します。適切な費用かどうか確認できるよう、相場はもちろん、内訳についても理解しておきましょう。
ブロック塀解体の費用相場
ブロック塀の解体を検討する際に気になるのが、費用がいくらかかるのかというところです。解体の費用相場は「1平方メートルあたり5千円~1万円ほど」になります。ただし解体するブロック塀の設置状況や解体方法、地域相場によっても異なり、産業廃棄物の処分費が別途発生する場合もあります。正確な費用を知りたい方は業者に確認すると良いでしょう。解体に補助金制度を活用できるケースについては、あとの項目で詳しく解説します。
解体費用の内訳
解体費用の内訳を解説します。理解しておくことで、業者からの見積もりを確認する際に役立つでしょう。
1.人件費
工事を行う作業員や産業廃棄物を運搬するトラック運転手などにかかる人件費です。1日あたりの日当で算出されます。
2.運搬費
解体で出たがれきなどの産業廃棄物を収集し、トラックに積載して、処分場まで運ぶ費用です。収集・運搬する業者は、許可を得ている必要があります。
3.廃材の処分費
産業廃棄物を処分場で適正に処分するためにかかる費用です。処分する量と材質によって異なります。
ブロック塀を解体する際の注意点
トラブルなく工事を行うためには、注意点をあらかじめ把握しておき、工事の前に行動に移せるようにしておきましょう。
ブロック塀の所有者を明確にしておく
解体する前には、ブロック塀の所有者を明確にしておくことが重要です。ブロック塀が自分の家の所有物だと思っていたら、じつは隣家の所有物だったというケースがあります。また逆に、所有者は自分でも、隣人は自分が所有者だと思い込んでいることもあります。万が一、所有権がない塀を解体してしまった場合、裁判になる可能性もあるので注意してください。トラブルを避けるためにも、隣人に立ち会いしてもらい、所有権はどちらにあるのかはっきりとさせておきましょう。
近隣の方への説明をしっかりとする
解体工事は、騒音・振動・粉じん飛散などで近隣に少なからず迷惑をかけてしまいます。解体業者はトラブルやクレームが起きないよう、しっかりと対策をした上で工事を進めてくれるはずですが、事前の説明をすることで近隣の方から理解や協力を得やすくなります。またブロック塀の所有者は自分でも、近隣の中には解体の必要性について疑問を感じる人もいるかもしれません。危険なブロック塀を解体する理由を解体業者と一緒に説明して、近隣に納得してもらった上で、工事を進めることが大切です。
ブロック塀の解体に補助金は出る?
安全基準に達しない危険なブロック塀の撤去について、すべての地方自治体ではありませんが、補助金制度を設けている自治体もあります。補助金額は各自治体によって異なり、撤去費用の1/4〜1/2の補助とあわせて、上限額5〜15万円程度としているところが多いです。補助金を受けるためには、撤去前に必要な手続きを行っておく必要があります。あらかじめ、該当地域に補助金制度があるかどうか、また募集期間内であるかなど、各自治体に問い合わせるか、ホームページなどで確認することが大切です。
岡山県でも補助金制度を設けている自治体があります。募集期間や先着順などの条件がありますので、撤去を検討している方は早めに確認しておいた方が良いでしょう。
ブロック塀解体の流れ
解体の具体的な流れについて解説します。工事は解体業者が行いますが、施主として対応しなければならない部分も含めて、流れを把握しておくと安心です。
手順1.業者への依頼
まずは解体業者へ見積もりを依頼します。見積もりは1社だけでなく、2〜3社ほど複数社からもらうと良いでしょう。費用や工事内容などの詳しい説明を聞いた上で、安さだけで選ばず、最も信頼できる業者に依頼することが大切です。
手順2.近隣の方への挨拶
工事の前に、近隣の方へのご挨拶回りを行います。業者が行ってくれますが、可能な限り施主も同行した方が良いでしょう。直接顔をあわせて説明することで、トラブルやクレーム回避に繋がります。
手順3.マーキング・コンクリートカッター入れ
解体工事に入る前に、解体する箇所に印をつけるマーキングをします。次にマーキング箇所にコンクリートカッターで切れ目を入れていきます。どちらの作業もスムーズな解体には欠かせない工程ですが、粗悪業者の場合、省いている可能性もあるので注意が必要です。見積もりの段階で、「マーキング」や「コンクリートカッター入れ」が含まれているか確認しておきましょう。
手順4.解体作業の実施
準備を終えたら、解体作業を行います。作業は重機または手作業で進めます。解体にかかる日数は、ブロック塀の高さによって変わります。早ければ1日、かかっても3日〜1週間ほどで完了する場合が多いでしょう。
手順5.廃材の処理と掃除
解体で出た廃材を産業廃棄物としてトラックで処分場に運び、適正に処分します。現場を掃除して完了です。
まとめ
ブロック塀が地震などで倒壊して、人や物に危害を加えてしまった場合、所有者に責任が及びます。ブロック塀解体の費用相場は、1平方メートルあたり5千円~1万円ほどです。解体する際には、塀の所有者をはっきりさせ、近隣にきちんと工事の説明を行って、トラブルが起きないよう進めることが大切です。ひび割れやぐらつきがある、または安全基準に達しないブロック塀については、危険を放置せず、早めに解体を検討しましょう。