建物の土台として欠かせない基礎は、多くの解体現場で必要になる工事です。基礎の解体費用は、土地の広さや基礎の種類によって異なるので、工事費用が妥当であるかの判断が非常に困難です。
そこで今回は、基礎に関する基本情報や解体費用の相場、高くなるケースについて解説しています。基礎解体を安く抑える方法も解説しているので、ぜひ参考にしてください。
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基礎に関する基本情報
建物の基礎に関して「どの部分なのか」「何のためにあるのか」がわからない方もいるでしょう。
ここでは、基礎の概要と解体費用への影響を詳しく解説します。
そもそも基礎とは?
基礎とは、建物の最下部にある土台部分をいい、建物と地盤をつなぐ重要な役割を持っています。建物の重さを支えたり、地震や風などの外力を地盤に伝えています。
基礎が上部構造と合っていなければ、建物の倒壊を引き起こす原因になるため、基礎は建物のなかでも重要な部分といえるでしょう。
基礎の施工基準
基礎は、地盤の硬さや建物の性質によって施工方法を変えなければなりません。
平成26年以降、適切な基礎工事が行われていない建物が全国で見つかり、大きな社会問題となりました。この問題を受けて、国土交通省により「基礎ぐい工事問題に関する対策委員会」が設置され、基礎ぐい工事に関する施工ルールが定められました。
基礎の状態が土地の価格に影響を与える
基礎の状態は土地の価格にも影響を与えます。例えば、地盤が弱い場所や、地中埋設物がある状態では、不動産価格は下がります。家屋を解体し、きれいに整地したほうが、適正価格で売却できる可能性が高くなるのです。そのため、土地の価格を上げるために、売却前に基礎の解体工事をするケースも少なくありません。
建物の基礎を解体するべき理由
建物の基礎は、上部構造が撤去されてしまうと単なるコンクリートの塊です。
基礎が残っている状態では、土地購入後の撤去作業に時間がかかり、新しい建物の着工が遅れてしまいます。そのため、基礎を解体していない土地は買い手がつきにくく、土地価格が大幅に下がる原因になります。
より高値で土地を売却しようと考えるのであれば、基礎の解体は欠かせない工事といえるでしょう。
建物の基礎の種類と費用相場
基礎には、杭基礎と直接基礎の2種類があり、さらに杭基礎は支持杭・摩擦杭、直接基礎は布基礎・ベタ基礎・独立基礎に分類されます。
基礎の解体費用相場は、以下のように種類ごとに異なります。
基礎の種類 | 基礎の種類 | 費用相場 |
杭基礎 | 支持杭 | 杭1本あたり3〜5万円 |
杭基礎 | 摩擦杭 | 杭1本あたり3〜5万円 |
直接基礎 | 布基礎 | 1平方メートルあたり1,500〜5,000円 |
直接基礎 | ベタ基礎 | 1平方メートルあたり4,000〜6,000円 |
直接基礎 | 独立基礎 | 1箇所あたり3〜20万円 |
これらの費用以外にも、杭抜き費用や重機を運搬する重機回送費がかかります。
実際の費用は、杭の長さや地盤の状態、建物の種類などによって異なります。正確な費用を知りたい場合は、解体業者で見積もりを取りましょう。
杭基礎
地中に杭を打ち込んで建物を支える基礎を「杭基礎」といい、地中深くにある地盤(支持層)に杭を打ち、建物の傾きを防ぎます。杭基礎には「支持杭」と「摩擦杭」の2種類があり、建物や地盤の状況によってどちらを採用するかが変わります。
支持杭
支持杭は、軟弱な地盤で構造物を支える杭の一種です。支持層となる固い地盤まで杭を打ち込む方法で、マンションなどの重量のある建築物に採用されます。費用相場は杭1本あたり3〜5万円です。
摩擦杭
摩擦杭は、杭周面と地盤の間に発生する摩擦を利用して建物を支える杭です。支持層が深い場合や、安定しない場合に採用されることが多いです。費用相場は支持杭と大きな違いはなく、杭1本あたり3〜5万円です。
直接基礎
直接基礎は、杭基礎と並ぶ代表的な基礎であり、杭を使わずに地盤に直接基礎を作る方法です。コンクリートの塊を直接地盤に設置して建物を支えるため、地盤がいい場所で用いられます。
直接基礎は大きく分けて「布基礎」「ベタ基礎」「独立基礎」の3種類があります。
布基礎
布基礎は、木造住宅の基礎として一般的に採用されている構造です。布基礎の「布」は水平を意味しており、断面が逆T字型になった鉄筋コンクリートが水平に連続しているものです。
費用相場は1平方メートルあたり1,500円程度となっています。
ベタ基礎
ベタ基礎は、建物の底全体をコンクリートで固める構造です。布基礎と比較して、建物が傾く不同沈下が起きにくいと考えられており、やや軟弱な地盤や、敷地全体で耐力が安定した地盤に適した基礎とされています。
費用相場は1平方メートルあたり6,000円程度となり、布基礎よりも高くなります。
独立基礎
独立基礎は、建物の柱を支えるように単独で配置された基礎です。基礎の部分が、コンクリートで固めた直方体・四角錐のようになっており、底が広がった形状(フーチング)であることから、独立フーチング基礎とも呼ばれています。
独立基礎は、傾斜地の住宅やデッキなどに採用されることが多く、一般住宅ではほとんど使われていません。
基礎の解体方法とかかる日数目安
基礎の解体にかかる日数は、種類や敷地の広さによって異なります。ここでは、一般住宅に採用されている基礎の解体方法と、日数目安を解説します。
杭基礎の解体方法とかかる日数
杭基礎は、重機で杭と地盤の縁切りをするか、杭を切断する方法で解体します。
解体にかかる日数は、土地の広さや杭の本数などにより異なるため、一概にはいえません。使用する重機や作業人数によっても異なるので、見積もりを取る際に確認してみましょう。
布基礎の解体方法とかかる日数
布基礎は重機で掘り起こして解体します。布基礎は他の工法と比べて解体に手間がかからず、多くの場合は1日で終わります。ただし、土地の広さや地中埋設物が見つかった場合など、状況によって工期が延びるケースがあります。
ベタ基礎の解体方法とかかる日数
ベタ基礎は床一面にコンクリートが打ち付けられているため、専用の重機でコンクリートを破壊します。コンクリートの量が多く運搬に時間がかかるため、2〜3日以上かかることが多いです。基礎コンクリートが厚かったり、地盤改良をしていたりする場合は、4日以上かかることもあります。
なるべく正確な見積もりをもらうためにできること
基礎の解体は、一般的な工事と比べて費用がかさむことが多く、工事が始まってから追加費用がかかることもあるでしょう。
ここでは、なるべく正確な見積もりをもらうためにできることを解説します。
見取り図を解体業者に提出する
事前に見取り図を用意して解体業者に渡しておけば、どのような基礎が使われているかがわかり、正確な見積もりを出してもらいやすくなります。見取り図は施工会社に依頼すれば提供してもらえるので、現地調査に合わせて用意しておきましょう。
しっかりと現地調査を行ってもらう
解体業者に見取り図を提出したうえで、現地調査を行ってもらうことが重要です。
現地調査では、以下の内容を確認しましょう。
- 解体する範囲・隣地との境界
- 建物の構造と延べ床面積
- 重機や運搬トラックの駐車スペース
- 追加費用がかかるケースと金額
- 残置物の処分を依頼する場合の費用
工事を進めている途中で追加費用が発生することがあります。どのようなケースで追加費用が発生するかを事前に確認しておくとよいでしょう。
基礎の解体費用が高くなるケース
基礎の解体費用は、土地の広さや基礎の構造によって異なります。また、工事が始まってから追加費用がかかることもあるので、どのようなケースで解体費用が高くなるかを確認しておきましょう。
基礎の構造や種類
前述の通り、基礎の構造や種類によって費用が変わってきます。たとえば、杭基礎は杭の数が多くなるほど費用が高くなります。また、ベタ基礎のコンクリート層が厚い場合も、より多くの費用が必要となるでしょう。
工事中に地中埋設物が見つかる
解体工事を行っているなかで地中埋設物が見つかることがあります。発見される埋設物によっては処分費用が高額となるケースもあり、予期せぬ出費となってしまいます。現地調査の際に、どのような埋設物が想定されるかを確認しておくとよいでしょう。
基礎の解体費用を安く抑える方法
基礎の解体費用は、業者選びや工事時期によって安く抑えられる可能性があります。ここでは、解体費用を安く抑える方法を解説します。
複数の業者に相見積もりを取る
基礎の解体工事は高額になりやすいため、複数業者に見積もりを依頼し、比較することが大切です。現地調査を含めると時間はかかりますが、複数業者で見積もりを取ることで、基礎工事にかかる費用相場もわかってきます。できるだけ解体費用を抑えるためにも、複数業者への見積もりを依頼しましょう。
解体業者の繁忙期を避ける
解体業者は11〜3月が繁忙期といわれています。特に年末や年度末は、人員不足や廃棄物が多くなることで、解体費用が高くなります。解体費用を抑えるためにも、特別な事情がなければ繁忙期を避けましょう。
補助金や助成金を利用する
一定の条件を満たした解体工事であれば、補助金や助成金を利用できます。ただし、補助金の名称や適用条件は、自治体によって異なるので、お住まいの自治体に確認してみましょう。
まとめ
基礎の解体費用は、通常の工事と比べて高額になる場合がほとんどです。基礎の種類や工法などにより費用が異なるので、専門知識がなければ適正な見積もりであるのかが判断できません。基礎の解体費用をできるだけ抑えるためにも、複数業者に見積もりを依頼し、繁忙期を避けるなどの対策を行いましょう。