自身や家族が所有していた建物が火事に遭い、解体を検討している人もいるのではないでしょうか。ところが、火事に遭った建物の解体は頻繁に行われるものではないため、解体費用がどのくらいかかるのかがわからない人も多いでしょう。
そこで今回は火事に遭った建物の解体費用や費用を抑える方法を解説します。火事に遭った際の手続きの流れも解説しているので、火事が発生し何から手をつければよいのか悩んでいる人も、ぜひ参考にしてみてください。
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火事に遭った建物の解体費用
45坪の木造住宅を解体する場合、通常であれば135~225万円ほどの費用がかかります。一方、火事により全焼した場合は、解体費用に200~300万円ほどかかり、通常の解体工事より費用が高くなる傾向があります。また、火事に遭った建物が鉄筋コンクリート製であれば、1,000万円ほどかかる可能性も考えられるでしょう。
まずは、火事に遭った建物が通常の建物よりも解体費用が高くなる理由や、解体費用の内訳を解説します。
通常の建物の解体費用よりも高くなる理由
通常の建物よりも火事に遭った建物を解体する方が費用が高くなるのは、廃棄物の処理費用に大きな差があるためです。通常であれば、建物の解体工事で発生した木材は再利用することを想定した処分費用が算出されます。ところが火事に遭った建物の場合は、廃材が再利用されないため、廃材処理費用が高くなる傾向があります。
火事に遭った建物の解体費用の内訳
火事に遭った建物の解体費用の内訳は以下の通りです。
- 基本解体費用
- 廃棄物処分費用
- 必要諸経費
基本解体費用は1坪あたり2~6万円ほどかかり、建物の構造や残置物の状況によって作業員が増えると価格も高くなります。廃棄物処分費用は、解体費用全体の10~20%ほどを占めるといわれています。諸経費には以下のような費用が含まれ、消臭費用は火災に遭った建物の解体工事のみに発生する費用です。
- 損害賠償保険
- 工事管理費
- 機械損料
- 消臭費用
火事に遭った建物の解体費用を抑える方法
火事に遭った建物は通常の建物の解体よりも費用が高くなる傾向があります。ここからは、火事に遭った建物の解体費用を抑える方法を解説します。
火災保険を利用する
火災保険に加入していれば、受け取った保険金で解体費用をまかなえる可能性があります。ただし、建物の評価額が低く、保険金より解体費用が高くなるケースもあるため注意が必要です。補償内容は、契約している保険会社やプランによって異なるので、保険金の請求手続きをする前に補償対象や申請方法を確認しておくことが大切です。
自治体の支援制度を活用する
火事に遭った場合、見舞金の支給や救済金制度、廃棄物処理手数料の減免といった自治体の支援制度を受けられる可能性があります。
見舞金の支給や救済金制度は、火災に遭った被災者を支援することを目的とされる制度で、支給額は自治体や被害状況に応じて異なります。廃棄物処理手数料の減免は、自治体の処理施設で火事により発生した廃棄物を処分する際の手数料が減免される制度です。
これらの自治体の支援制度を活用するには、罹災証明書が必要となります。詳しい制度内容や手続きは、自治体の窓口に問い合わせてみましょう。
複数社に見積もり依頼をする
火事に遭った建物の解体費用を抑えるには、複数社の見積もりを比較し、適切な価格かどうかを確認することが大切です。
1社だけの見積もりを見ても、相場よりも高いか安いかが判断できず、高額な費用を請求される可能性があります。加えて、安すぎる価格を提示する業者も、追加料金を請求したり不法投棄をしたりするリスクがあるので注意が必要です。
解体前に売却する
なかには、火事に遭った物件でも解体せずにそのままの状態で買い取ってくれる不動産会社もあります。ただし、人が亡くなっていたり大規模工事が必要だったりすると、買取価格が下がることもあるので注意が必要です。そのような場合は、訳あり物件を専門に扱う不動産会社を選ぶと、比較的スムーズに売却できるでしょう。
火事に遭ったときの手続きの流れ
火事に遭ったときは、罹災証明書の取得や保険会社への連絡といった手続きが必要になります。ここからは、火事に遭ったときの手続きの流れを解説します。
罹災証明書を取得する
火事に遭ったときはまず、火災が起きたことを証明する「罹災証明書」を取得しましょう。消防署で申請することで取得でき、火災保険の手続きや自治体の支援制度を利用する際に必要となります。
保険会社に連絡する
次に保険会社に連絡して、保険金の請求手続きをします。すでに解体工事を実施していると、火災の被害状況を調査できず、保険金が受け取れない可能性があるので、解体工事を実施する前に連絡しましょう。一般的に保険金を請求するには、以下の書類が必要になります。
保険金請求書 | 保険会社のWebサイトからダウンロードしたり、郵送してもらったりして必要事項を記入する |
印鑑証明書 | 保険金請求者の本人確認のために提出が必要となる |
罹災証明書 | 火災に遭ったことを証明する書類で、消防署で発行してもらえる |
建物登記簿謄本 | 建物が保険対象であることを確認する書類で、法務局で発行してもらえる |
写真 | 建物の全体や被害箇所、被害程度がわかるように撮影する |
委任状 | 保険金請求を委任する場合に提出する |
必要書類や手続き方法は、保険会社によって異なるので、事前に加入している保険会社のホームページなどで確認しておきましょう。
解体業者に依頼する
罹災証明書の取得や保険会社への連絡が済んだら、解体業者を選定し、工事を依頼します。適切な価格かどうかを判断するためにも、複数社から見積もりを取ることが大切です。なお、見積書は現地調査を依頼したうえで作成してもらいましょう。
ライフラインを停止する
ライフラインは火事の発生時に消防署から停止連絡がされるのが一般的ですが、自分でも利用状況を確認し、必要に応じて停止手続きをしましょう。通常、電気やガスは解体工事をする前に停止しますが、水道は解体する際の散水などに使用する場合があります。水道を停止するタイミングは、解体業者とあらかじめ調整しておきましょう。
火事に遭った建物を放置するとどうなる?
火事に遭った建物を放置すると、特定空き家に指定され、自治体から指導を受ける恐れがあります。特定空き家とは1年以上放置され、倒壊の危険性や景観・衛生上の問題が生じる可能性が高いと判断された建物が対象となります。
自治体から特定空き家に指定され、指導を受けた場合、所有者は自費で補修や解体をしなければなりません。なお、自治体の指導に従わなかったときは50万円以下の罰金が課せられます。そういった状況を防ぐためにも、火事に遭った建物は放置せず、解体して更地にするなど早めの対処が必要です。
特定空き家を所有するリスクは、こちらの記事で詳しく解説しています。
まとめ
45坪ほどの木造住宅が火事により全焼した場合は、解体費用に200~300万円ほどかかります。通常であれば135~225万円ほどの費用で収まりますが、火事に遭った建物の場合は廃材が再利用できないことから処分費用が高くなり、解体費用全体も高額になる傾向があります。
火災保険や自治体の支援制度を活用することで解体費用を抑えられる可能性があるため、火事に遭った際は罹災証明書を取得し、火災保険や支援制度の内容や申請方法を確認しておきましょう。