家屋などを解体する際に、「地鎮祭を行ったほうが良いのか?」と迷う方は多いのではないでしょうか。地鎮祭はあくまで風習になるので実施は必須ではありませんが、何かトラブルが起こった際に後悔しそうだと感じるようならば、実施を検討しておいたほうが賢明です。
この記事では、地鎮祭とは何か、実施する必要性、費用相場、儀式の流れなどを詳しく解説します。地鎮祭についてきちんと理解した上で行うかどうか判断をしたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
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解体工事における地鎮祭とは?
解体工事を行う際によく耳にする「地鎮祭(じちんさい)」は、一般的には神道に基づいて行われる儀式になります。ここでは、地鎮祭の実施のタイミングや地鎮祭以外のお祓いについて解説します。
地鎮祭は解体工事の後に行われる
地鎮祭とは家屋や建物を解体した後、新しく家を建てるときに行うお祓いになります。縁起の良い日柄を選んで行うのが一般的で、新築や増改築の工事を始めるのに吉とされる「建築吉日」から日取りを決めます。ただし、あまり日取りにこだわりすぎると工事の進行に影響が出てしまいますので、参列者のスケジュールに合わせて決めると良いでしょう。
解体工事前には別のお祓いを行う
解体工事の後に行うお祓いが地鎮祭だとお伝えしましたが、解体工事の前には別のお祓いを行うケースがあります。「解体清祓い(かいたいきよはらい)」という儀式になりますが、解体清祓いについてはあとの項目で詳しく解説しています。
家以外のものを解体する時のお祓いについて
神道ではあらゆるものに魂が宿っているという考え方があり、家屋や建物以外のものを撤去・解体する際は、「魂抜き」や「井戸祓(いどばらい)」「樹木伐採清祓(じゅもくばっさいきよはらい)」などのお祓いを行う風習があります。こちらもあとの項目でそれぞれ詳しく解説しています。
地鎮祭は必ずやらなければいけないものではない
地鎮祭は昔から行われてきた風習・儀式で、科学的な根拠はないため、実施は必須ではありません。とはいえ、行っておかないと不安だ、何かトラブルが起こった際に後悔しそうだなどと感じるようならば、実施を検討しておいたほうが良いでしょう。
地鎮祭は土地の神様に感謝を伝えるもの
地鎮祭は、土地に宿る神様に感謝を伝えて、新しく家を建てる許可を得る儀式になります。また解体工事の無事と新しく建てた家に住む人の繁栄・健康を祈願する意味合いもあります。
家族や親族の想いも尊重する
実施に際しては、家族や親族の想いを尊重することが大切です。実施する必要性を感じないようなら、無理に行う必要はありません。しかし家族や親戚の中に、儀式を行わないことで不安に感じたり、落ち着かなかったりする人がいるようなら、想いを汲んだ上で実施すべきかどうか判断できると良いでしょう。
地鎮祭をしなくてもデメリットはない
上述したとおり、地鎮祭は風習で行われている儀式になるため、実施しなくてもデメリットはありません。ただし中には、「もし何かあったらどうしよう」と不安に感じる人もいるため、実施するかきちんと検討しておくことが重要になります。
地鎮祭にかかる費用相場
地鎮祭を行う場合、どのくらい費用がかかるのか気になる方は多いでしょう。儀式は決められたルールがあるわけではないため自分で行うことも可能ですが、一般的には神社へお願いして神主を招いて執り行う形になります。ここでは、神社に依頼した場合の費用相場について解説します。地域差によって異なりますが、すべての費用を合わせると10〜20万円ほどかかるでしょう。詳しい内訳は以下のとおりです。
- 初穂料(神主への謝礼):2〜3万円
- お供え物:5千円〜1万円
- 祭壇などの準備費用:5千円〜5万円
- 出張費(お車代):1〜2万円(神社による)
- 粗品:1〜3千円/1つ
- 参列者へのお弁当:1〜3千円/1つ
また初穂料はそのまま渡すのではなく、必ずのし袋に入れて神主へ渡すようにしましょう。
地鎮祭を行う流れ
神社にお願いする場合は、神主が儀式を執り行ってくれます。施主が詳しく把握しておく必要はありませんが、大まかな流れを覚えておくとスムーズに対応できるでしょう。
<儀式の流れ>
- 神主が挨拶し、儀式の流れを説明する
- 参列者とお供え物を祓い清める
- 土地の神様や氏神様を祭壇にお迎えする
- 神前にお供え物を奉納する
- 工事の安全と家の繁栄を祈る祝詞を奏上する
- 土地の四隅を祓い清める
- 地鎮の儀式として、刈初之儀(かりぞめのぎ)、穿初之儀(うがちぞめのぎ)を行う
- 神前に玉串をお供えして拝礼する
- 神様や氏神様をお見送りする
- 神酒などのお供え物を参列者全員でいただく
所要時間は、30分〜1時間ほどです。ただし地鎮祭の後にご近所へ挨拶回りを行う場合は、さらに時間がかかるため、あらかじめ時間に余裕のある日程を選んでおくようにしましょう。
地鎮祭とは別に解体前に行う4つのお祓い
地鎮祭の他に、解体の前に行うお祓いが4つあります。それぞれ詳しく解説しますので、必要に応じて実施できるように把握しておきましょう。
1. 解体清祓い
「解体清祓い(かいたいきよはらい)」とは、家屋や建物を解体する前に実施するお祓いです。お祓いの考え方は地鎮祭と同じで、家の守り神にお世話になった感謝の気持ちを伝えて、解体工事の安全を祈願する意味合いがあります。地鎮祭と同じく風習になりますので、実施は必須ではありません。費用の相場は依頼する神社によって異なりますが、3万5千円〜6万円になります。家族や親族と相談した上で、実施するかどうか決めると良いでしょう。
2. 魂抜き
神棚や仏壇には神様やご先祖様の魂が宿ると言われているため、撤去や移動する際は「魂抜き」と呼ばれる儀式を行うのが良いとされています。依頼先はそれぞれ異なり、以下のとおりです。
- 神棚:神社の神主
- 仏壇:お寺の僧侶
費用の相場は3〜5万円ほどです。
3. 井戸祓
井戸には水の神様が宿っているとされているため、これまでの感謝と撤去・解体工事の安全を祈願して「井戸祓(いどばらい)」を行う風習があります。井戸祓にかかる費用の相場は、1~3万円ほどになります。
4. 樹木伐採清祓
古くから樹齢の長い樹木には神様が宿るとされているため、伐採する際には樹木に宿る神様を祓い清めて、作業の無事を祈る儀式「樹木伐採清祓(じゅもくばっさいきよはらい)」を行います。お祓いせずに伐採するのが気になるようなら、実施を検討しても良いでしょう。費用の相場は2~3万円ほどです。
地鎮祭に関して解体業者に相談してみるのもおすすめ
解体業者が地鎮祭を執り行うわけではありませんが、過去の解体工事で地鎮祭に関わった経験がある業者の場合、知識やノウハウをもっていてサポートしてくれるケースがあります。地鎮祭を行うべきか迷う方や依頼する神社がわからない方は、まずは解体業者に相談してみるのも良いでしょう。
まとめ
地鎮祭とは、建物を解体して新築工事を行う前に実施するお祓いの儀式で、工事の無事や家の繁栄と家族の健康を祈願するものです。昔から行われてきた風習ですが、科学的な根拠があるものではないため必須ではありません。ただし家族や親族の中に実施したいと思っている人がいる場合は、想いを尊重することが大切です。実施すべきかどうか判断に迷うようなら、工事を行う解体業者に相談してみるのもおすすめです。地鎮祭の意味を理解した上で、安心できる形で解体工事を行いましょう。