「アスベストの調査はどれくらい費用がかかるのかな。」「アスベストを調査することは本当に必要なのかな。」このように考えてらっしゃる方も多いのではないでしょうか。本記事ではこれらの内容について解説を行います。ぜひ最後までご覧ください。
解体のことなら、どんな些細なことでもご相談ください
アクティブは岡山で
圧倒的な実績と経験を誇る地域No.1の解体業者です。
建物解体工事から内装解体工事、アスベスト調査・除去まで安心してお任せください。
アスベスト調査の概要と必要性
アスベスト調査は、建築物においてアスベストが使用されている可能性のある部分の建材をサンプルとして取り出し、調査機関にて成分分析を行うことで、アスベストの使用有無を確認するものです。アスベストとは、熱や摩擦に強い性質を持っている天然の鉱物繊維です。保温断熱や防音等の目的から建築資材等の工業製品に広く利用されてきました。
しかし、このアスベストにより大きな健康被害が生じることがわかりました。アスベストの繊維はとても細く、切断や研磨時に空気中へ飛散します。この繊維を吸い込むと肺に蓄積され、肺がんなどの病気を引き起こす可能性があります。アスベストの健康被害が生じるまでの潜伏期間は長くておよそ40年と言われており、発覚まで時間がかかることからも、大きな社会問題として取り扱われています。これらの状況から、専門知識を有する資格者がアスベストの事前調査を行い、健康被害の防止を行う必要性が生じるのです。
アスベスト調査は法律で義務付けられています!
アスベスト含有の建築物の工事等を行う際、作業員のアスベストの吸い込み防止や周辺環境へのアスベストの飛散防止のため、アスベストの使用有無の事前調査および作業の届出等を行う必要があります。また、調査の結果アスベストが含まれているという診断が為された場合は解体工事を行う必要がありますが、解体作業から発生する廃棄物を適切に処理しなければなりません。仮にアスベストが使用されているかどうかが分からないケースでは、一般的にはアスベスト含有であると評価されます。そのため、不動産取引等の際、建物の資産価値を下落させてしまう要因になるため、注意が必要です。
アスベスト調査の流れ
第1次スクリーニング
第1次スクリーニングは一次調査と言うことができます。設計図等を用いて、アスベストが使われているかどうかを確認していく段階です。建築や改修を行った時の材料や工法の記載がされている設計図書や施工記録の精査を行うことにより、アスベストの使用有無を確認します。この第1次スクリーニングにてアスベストの使用が明らかとなった場合、除去工事へと遷移していくことがあります。
第2次スクリーニング
第1次スクリーニングにてアスベストが使用されているかどうかを判断できなかった場合において、第2次スクリーニングを実施します。第2次スクリーニングでは、調査対象である現場へ実際に調査員が赴き、アスベストが使用されているかどうかを目視確認する調査を行います。
第1次スクリーニング及び事前の情報からアスベスト含有が疑われる部分を想定することは可能です。そこから洗い出された箇所を目視にて重点的に調査することによって、アスベストの使用有無を判断するのが第2次スクリーニングの考え方です。一般的には第1次スクリーニングと第2次スクリーニングの両方を実施した上で判断を行います。
採取·分析
第2次スクリーニングにて現場の調査を実施する時に、アスベスト含有が想定される部分の建材の一部を持ち帰ることがあります。そして持ち帰った建材からサンプルを採取し分析を行うことにより、アスベストの使用有無を判断することが可能です。目視ではアスベストを判別できない可能性があるため、採取と分析により確実性を高めることも重要となります。
報告書作成
アスベスト調査の際には、家主及び建築会社から依頼を受けて調査を行うことが一般的です。その際アスベストの使用有無を定義するため、アスベストを調査する会社が報告書の作成を行います。報告書に記載されている内容にて最終的にアスベストの使用有無の判断をします。解体・改修工事等の検討を行う際に、極めて重要な報告書となるため、内容をしっかりと確認しておかなくてはなりません。
アスベストの調査が必要なケース
建物の解体や改修をする場合
アスベストの調査が必要とされるケースとして、建物の解体・改修を行うケースが挙げられます。石綿障害予防規則にて定義が為されている部分であり、建物の解体・改修に関する工事を実行する際、アスベストが用いられているかどうかの事前調査を行わなければなりません。石綿障害予防規則や大気汚染防止法においては、解体工事前のアスベスト有無の確認を実施するように定められています。そのため工事の依頼を行う立場に立っても、それらの定めに従った上で調査をしてもらえるよう依頼する必要があるでしょう。
使用中の建物に対する規制
建物の解体・改修時だけではなく、使用中の建物に対する対応が求められるケースもあります。アスベストを含む建材が実際に用いられていることが判明しているケースです。石綿障害予防規則第10条及び建築基準法第10条や第28条の2などに明示されているように、アスベストが周囲に飛散するリスクを避けるため、アスベストの除去をはじめ、封じ込めや囲い込み等を実施する必要があります。
加えて、天井裏等にて空調や電気工事を実施する場合においても、除去及び封じ込めや囲い込みといった対応を行う必要のある場合があります。アスベスト調査会社等と相談を行った上で、然るべき対処を行いましょう。
建物の売買や貸借をする場合
建物の売買及び貸借に関して、契約時にアスベストの使用有無の調査が実施されている場合、その結果を書面にて契約者へ知らせなければなりません。アスベスト調査が行われていない場合では、「記録がない」という表記でも問題はありません。
アスベスト調査の費用相場
アスベスト調査は専門機関に依頼をした上で成分分析を進めていくため費用がかかります。費用相場は、平均的な成分分析の費用でおよそ3万円〜5万円です。この際、成分分析を実施する検査サンプルの数が多いほど費用は増加します。さらにその他必要である分析方法や、報告書をどれだけ詳細に作成するかによって費用は変化します。加えて、成分分析の事前調査を行うために、図面の調査や現地の調査を実施する際には、この事前調査に対しても費用が生じます。アスベスト調査の実施を考える際には、まず専門の機関に問い合わせ、見積もりの作成を依頼してみましょう。
アスベストの分類による調査費用の違い
アスベストは、外力を与えた際に飛散する度合いである発じん性により、3つの段階に分類されます。
レベル1(発じん性が著しく高い)・・・成分分析が必要
レベル2(発じん性が高い)・・・成分分析が必要
レベル3(発じん性が比較的低い)・・・事前調査を行うことなくアスベスト含有建材として処分が可能
上記のうちレベル1とレベル2は調査がどうしても必要になるため、調査および除去の費用がかかります。しかしレベル3のケースでは危険度合いが比較的低いため、解体を行う業者が手作業にて作業することもあります。その際には、建物の解体費用に加えて、アスベストの解体費用がかかります。例としては、屋根材のアスベスト解体の費用相場はおよそ20万円~30万円です。その他にもアスベスト含有箇所がある場合には、追加費用も発生します。
アスベスト調査会社を選ぶ3つのポイント
適切な料金提示
業者によっては事前に料金の公表を行わず、後に高額な追加料金を請求するケースも存在します。業者のホームページから料金表示があるかをよく確認しておきましょう。表示がない場合には、事前にどのくらい費用がかかりそうなのかを確認することができる会社に依頼するようにするべきです。その際、追加での料金負担があるかどうかなど、可能な限り情報を集めましょう。
報告書の作成実績
建築物を解体する場合には、公的機関に対しアスベストの調査報告書の提出を行うことが義務付けられています。この報告書の作成実績の有無も調査会社を選ぶ上でのポイントです。業者のホームページにて作成実績が掲載されていない場合には、実際に連絡を行って聞いてみるのもいいかも知れません。大学との協同研究や、経済産業省による支援の有無など、公的機関との結びつきのある調査会社はより信頼性が高いと言えます。
資格保有作業員の有無
現在は資格を何も持っていない方でもアスベストを扱うことは可能です。しかし一方で、それでは調査として不十分であり、有効性に疑問が残ります。また、令和5年10月から事前調査の実施者が資格者等に限定されることも考慮し、資格保有作業員が在籍しているのか、調査経験があるのかを確認した上で、業者を選びましょう。
アスベストの劣化状態について
同じアスベストでも、種類や状態が複数あります。具体例について見ていきましょう。
層表面の毛羽立ち
吹き付けられたアスベストの表層部にて結合材の劣化等が起こり、繊維が毛羽立っているものです。比較的初期段階と言われる症状であるため、この時点で劣化を防止することで損傷拡大を止めることができます。
繊維のくずれ
層表面の毛羽立ちが進行してしまった状態です。アスベスト含有部分の表層及び表層下部の繊維が荒れた状態であり、吹き付けのアスベストが用いられているケースで見られます。
たれ下がり
吹き付けたアスベストの一部分が劣化し、層外へとたれ下がってしまっているもので、進行の進んだ損傷状態だと言えます。すでにアスベストが劣化した状態であるため、早急な対処を行うことが求められます。
まとめ
健康被害を及ぼすアスベストに関する対応は、専門家の力を活用しながら行いましょう。調査に費用がかかってしまいますが、人体への影響を考えると必要な負担と言えます。適切に対応することができるよう、信頼することのできる業者を選ぶようにしたいですね。