解体工事に伴って、「杭抜き工事は行ったほうがいいのか?」と疑問に感じている方は多いのではないでしょうか。その際に気になるのが、「どのくらい費用がかかるのか?」「そもそも必要なのか?」という点です。
この記事では、杭抜きとはどのような工事なのか、実施したほうがいいのか、費用の相場について詳しく解説します。工事を行うメリット・デメリットもお伝えしますので、実施するべきか迷っている方は、最適な判断をするためにぜひ参考にしてみてください。
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解体工事における杭抜きについて
杭抜き工事を行うかどうかを判断するためには、どのような工事なのか確認しておく必要があります。具体的に解説していきますので、頭に入れておきましょう。
そもそも杭とは?
杭は木材やコンクリート、鉄筋コンクリートなどでできた長い棒状の建築部材になります。地中に打ち込み、地盤と建物を固定させる「杭基礎工事」で用いられます。地盤が軟弱だったり、建物の状況に合わせて基礎を深くしたりする場合に使用することが多く、建物の安全性を確保するためには、非常に重要な建築部材です。
杭抜き工事とは?
基礎工事のうちの1つで、建物の解体に伴い、地中に打ち込まれている杭を引き抜く工事を指します。必須ではないため、実施するかどうかを判断する必要があります。判断するポイントについては、次の項目で詳しく解説します。
杭抜き工事はしたほうがいいのか
工事を行うためには多くの費用が必要になるので、実施したほうがいいのか迷う方は多いでしょう。ここでは施主として適切に判断するためのポイントを4つ解説しますので、それぞれ見ていきましょう。
絶対にしないとダメというわけではない
杭抜きは絶対に行わなくてはいけない工事ではありません。建物を解体したあとの土地の活用次第で、実施するかどうかの判断が分かれます。杭が残ったままでも支障がないなら、撤去する必要はないと言えます。ただし撤去しないことによるリスクもありますので、あらかじめ把握した上で判断するようにしましょう。
杭抜きをしたほうがいいケース
杭抜きをしたほうがいいケースは、以下の通りです。
- 新しく建物を建てる場合
- 土地を更地にして売却する場合
地中に杭が残ったままだと、新築時の障害になったり、買い手が付きにくくなったりするリスクがあります。特に新しく家を建てる際には、以前建っていた建物とは面積や形状が異なるケースが多いため、既存の杭が障害になる可能性が高いです。新築や土地売却を予定しているなら撤去を検討しておきましょう。
杭をカットするという選択肢もある
土地の活用方法次第になりますが、杭を抜かずにカットして残すやり方もあります。工事の作業負担が少なくて済むため、コストを抑えられます。現場によっては杭の数が多く、すべてを撤去するとなると多額の費用がかかるケースがあります。土地活用に支障がないようなら、カットする方法も有効です。ただし、地中に杭が残った状態だと土地の値段が低くなる場合があるので、あらかじめ理解した上で判断する必要があります。
杭を残す場合は行政への確認が必要
地中の杭は建物を支える部材になるため、建物がなくなってしまうと産業廃棄物になります。放置してしまうと不法投棄とみなされ、処罰の対象になる恐れがあります。しかし行政に確認した上で、杭抜き工事を実施しなくても良いと許可されれば、不法投棄には該当しません。杭を残すなら行政に確認することを覚えておきましょう。(参考:e-Gov「廃棄物の処理及び清掃に関する法律 第二十五条」)
杭を残した土地の活用方法
代表的な活用方法として、駐車場やコインパーキングが挙げられます。駐車場の造成であれば、土地をコンクリートで覆うので、杭を残したままでも支障ありません。また、家を建て替えするケースでは、一部の杭を残せるかどうかを建設業者に相談するのも1つの方法です。少しでも工事費用を抑えるなら検討してみると良いでしょう。
杭抜き工事を行うメリット・デメリット
工事に伴うメリット・デメリットについても、あらかじめ把握しておくことが大切です。それぞれ解説しますので、確認しておきましょう。
メリット:土地を高値で売却できる
新しく建物を建てる場合、地中に杭がない状態だとすぐに建築できます。杭を撤去する手間も費用もかからないため、買い手が付きやすくなり、土地を高値で売却できます。
デメリット:費用がかかる
建物の解体工事費とは別に費用がかかりますが、将来の土地活用を考慮するなら、撤去を検討しておいたほうが賢明です。あらかじめ予算に組み込んでおくなどの対応ができると良いでしょう。
杭のカットを行うメリット・デメリット
杭のカットを行った際のメリット・デメリットについても、把握しておきましょう。
メリット:費用を抑えられる
杭を抜くのではなく、カットするほうが工事費用を抑えられます。地中に杭がある状態でも、その後の土地活用で問題なければ、コスト削減のために検討しても良いでしょう。
デメリット:土地の売却価格が下がる
地中に杭がある状態でも土地を売却できますが、買い手が現れる可能性は低く、買い手が付いたとしても土地の売却額が下がるリスクがあります。また不動産屋によりますが、基本的に杭抜きを実施してくださいと施主に伝えたり、杭が残っていると取り扱わなかったりする場合があるので注意しましょう。土地を売却する予定があるなら、杭の撤去が必要になると頭に入れておくことが大切です。
杭抜き工事の費用相場と内訳
工事に必要な費用はいくらくらいになるのでしょうか。相場と内訳を詳しく解説しますので、参考にしてみてください。相場は杭の種類や状況、工期、地域などによって異なりますので、詳しい費用が気になる方は解体業者に見積もりを依頼しましょう。
杭抜き工事費
杭を地中から引き抜く工事費用になります。「杭抜き1本あたりの単価×本数」で計算できます。例えば、1本あたりの単価が3万円で、30本の杭を抜く場合の費用は「3万円×30本=90万円」となります。単価は杭の種類・直径・長さによって変動し、中には1本あたり5万円以上になるケースもあります。また撤去する杭が多いほど費用が高騰します。
地中杭処分費
抜いた杭を産業廃棄物として処分するための費用です。処分費の相場は1本あたり2〜3万円で、杭が30本ある場合は「2〜3万円×30本=60〜90万円」かかります。上述と同様、杭の本数が多いほど費用が上がり、杭の種類によって処分費が変動します。
重機回送費
重機を現場まで運ぶための費用です。工事には重機の使用が欠かせませんが、重機は公道を走行できないため、運ぶための大型車が必要になります。相場は3~5万円ほどで、現場までの往復距離や業者が重機を保有しているかどうかによっても変わります。
費用や内訳は解体業者によって異なる
解体業者によって、地域や現場までの距離、施工技術などの違いから、設定する工事費用が異なります。さらに見積書の記載方法は決まりがあるわけではないため、工事の内訳の項目名も業者ごとで変わります。同じ項目名であっても、含まれる作業内容が違うケースもあるので、どんな作業内容になるのか業者にきちんと確認することが重要です。
納得して依頼するためにも相見積もりは大切
解体業者によって費用や内容が変わるため、2社以上の複数の業者に相見積もりを依頼して、見積内容を見比べることが大切です。不明な点があれば、必ず確認しておきましょう。何度も見積もりする手間を省きたい方は、複数の業者に無料で見積もりを依頼できる「一括見積もりサイト」を利用するのも賢い方法です。
杭抜き工事の工期
工事を行う場合、どのくらいの工期が必要になるのでしょうか。土地を売却するなどの予定が決まっている場合は、あらかじめ把握しておく必要があります。
工期は土地や解体業者によって様々
杭の本数や長さに加えて、地盤が硬いのか柔らかいのか、解体業者の実績や技術力、必要な重機を保有しているかなどによって工期が変わります。また地中にあるガス管・水道管の撤去も一緒に実施する場合では、工期が長くなる可能性があります。工期目安については、業者に見積もりを依頼する際に現地調査をしてもらい、確認しておきましょう。
解体業者によって差が出やすい項目
業者によって差が出やすい作業内容は、以下のとおりです。
- 杭抜き工事
- 養生・足場の設置
- 残置物の撤去・処分
- 道路への鉄板養生
- 残土の処分費用
- 整地後の土入れ
- ライフラインの撤去 など
例えば、短い工期で済んでも工事の質が悪かったり、近隣住民への配慮が不十分だったりするなどの可能性があります。業者選びの際は上記の項目にも注意して、費用や工期だけで選ばないことが大切です。
まとめ
杭抜き工事は、建物の解体に伴い地中に打ち込まれている杭を引き抜く工事を指します。工事は必須ではなく、土地を駐車場として使用するなら実施しなくても支障ありません。しかし新しく建物を建てたり、更地にして売却したりする場合は、杭があると建築の邪魔になったり、土地の価格が下がったりするリスクが生じるので注意しましょう。工事を実施するかは、土地の活用次第で判断するのがポイントです。費用相場は、地域や解体業者、杭の種類、状況などによって異なりますので、詳しい費用が気になる方は業者に見積もりを依頼しましょう。信頼できる解体業者を選んで、適切に工事を進めてもらうことが大切です。